セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

胃-その他1

タイトル 消P-172:

出雲スケールと上部消化管内視鏡検査時における主訴との比較検討

演者 橋本 周太郎(東京警察病院・消化器科)
共同演者 鈴木 剛(東京警察病院・消化器科), 松原 三郎(東京警察病院・消化器科), 須山 由紀(東京警察病院・消化器科), 小椋 啓司(東京警察病院・消化器科)
抄録 【目的】出雲スケールとは上下部消化管症状を15項目に分類し各項目を5段階で評価する調査形式であり、患者ごとに訴えが多様である消火器症状を客観的に評価するために設定された。今回我々は出雲スケールの有用性について検証することを目的に上部消化管内視鏡施行時の患者主訴と出雲スケールスコアとの比較検討を行った。【方法】[スクリーニング]、[胸焼け]、[腹部膨満]、[咽頭閉塞感]、[心窩部痛]、[食欲不振]、[胸部つかえ感]、[嘔気]、[咽頭部違和感]、[胃部不快感]の各主訴を有する患者群ごとに検査直前に記載された出雲スケールスコアを比較検討した。【成績】(1)スクリーニング群では残便感のスコアが最も高く、空腹時胃痛が最も低いスコアであった。(2)何らかの主訴を有する群での出雲スケールスコアは、各主訴に準じた症状以外にも上部消化管症状に関するスコアがいずれもスクリーニング群と比較して高かった。(3)[咽頭閉塞感][咽頭部違和感]を主訴としていた群で便秘・下痢症状のスコアが高く、[胸焼け]を主訴とする群では便秘スコアは低いが下痢スコアが高かった。【結論】上部消化管内視鏡を施行された患者について主訴と出雲スケールとの比較を行った結果、上部消化管症状は主訴以外にも多彩に存在することが判明した。また、逆流性食道炎を想起させる主訴[胸焼け][のどのつまり][咽頭部違和感]の各群において下部消化管症状は異なることが示唆された。
索引用語 出雲スケール, 診断