セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

胃-その他2

タイトル 消P-174:

経皮内視鏡的胃痩造設術(PEG)後の経腸栄養症例における栄養状態の検討

演者 宮下 真奈備(国立岩国医療センター・内科)
共同演者 田中 彰一(国立岩国医療センター・消化器科), 藤本 剛(国立岩国医療センター・消化器科), 平田 尚志(国立岩国医療センター・消化器科), 田中 盛富(国立岩国医療センター・消化器科), 谷岡 大輔(国立岩国医療センター・消化器科), 岡部 浩太(国立岩国医療センター・内科), 三好 俊彦(国立岩国医療センター・内科), 山田 桂嗣(国立岩国医療センター・内科), 玉田 祥子(国立岩国医療センター・内科), 中元 将元(国立岩国医療センター・内科), 庄司 凡(国立岩国医療センター・内科), 白木 照夫(国立岩国医療センター・内科), 牧野 泰裕(国立岩国医療センター・内科)
抄録 【緒言】嚥下障害のある患者に対し全身の栄養状態を改善させるために、PEGが近年さかんに行われている。しかしPEG施行後に経腸栄養開始し、栄養状態の変化を検討した報告は少ない。そこで我々はPEG後経腸栄養を受けている患者における栄養状態変化を、血液検査で評価した。【方法】対象は、当科にPEG目的に入院した12例(男性2例女性10例、年齢83.1±6.7歳)である。血液検査は経腸栄養開始日(0)と開始2~3週間目(第1評価日:1)、4~6週間目(第2評価日:2)の3点で行った。統計学的検討はKruskal-Wallis’ rank testで行いp<0.05で統計学的有意差と判定した。【結果】総蛋白(g/dl)は6.2±0.5(0)、6.3±0.6(1)、6.7±0.4(2)で(0)と(2)の間でのみ有意差が見られた(p<0.05)。アルブミン(g/dl)は2.7±0.4(0)、2.8±0.4(1)、3.1±0.3(2)で(0)と(2)の間でのみ有意差が見られた(p<0.05)。しかしHDL-cholesterol(mg/dl)では31±10(0)、42±11(1)、46±14(2)で(0)と(2)だけでなく(p<0.01)、(0)と(1)でも有意差が見られた(p<0.05)。しかしコリンエステラーゼ(IU/l)では163±69(0)、175±67(1)、210±76(2)では有意差は各2間隔で見られないが(0)と(2)の間で増加の傾向が見られた(p=0.069)。【結論】経腸栄養にて、開始後2~3週間のうちにHDLコレステロール値が有意に上昇し、さらに4~6週間かけて総蛋白値やアルブミン値が上昇した。以上より栄養状態の改善は先に脂質代謝が改善し、ついで蛋白代謝の改善が見られた。これらの結果からHDLコレステロール値が、栄養状態改善の比較的早期のbiomarkerになるものと推測された。
索引用語 胃漏栄養, HDLコレステロール