セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

胃-その他2

タイトル 消P-176:

人間ドック受診者における肥満と内視鏡的胃炎・十二指腸炎に関する検討

演者 木田 裕子(さぬき市民病院・内科)
共同演者 杵川 文彦(さぬき市民病院・内科), 中尾 克之(さぬき市民病院・内科), 井上 利彦(さぬき市民病院・内科), 長谷川 清(さぬき市民病院・内科), 香川 礼香(さぬき市民病院・健診科), 正木 勉(香川大・消化器・神経内科)
抄録 【目的】生活習慣の変化に伴い、本邦において肥満、特に内臓型肥満が増加していると言われている。今回我々は肥満と内視鏡的胃炎、十二指腸炎の関連について人間ドック受診者の内臓脂肪面積、BMIとの関連について検討した。
【方法】2006年5月から2011年2月までに人間ドックを受診した症例のうち、過去に胃切除術を受けた例および悪性腫瘍が発見された例を除外し、内臓脂肪面積(VFA)測定および上部消化管内視鏡検査を施行した263例(男性125例、女性138例)を対象とした。内視鏡的に萎縮性胃炎、表層性胃炎、びらん性胃炎、十二指腸炎を認める例について、VFA、BMI、TG値、HDLコレステロール値、空腹時血糖値との関連について検討した。VFAは臍レベルのCT画像から内臓脂肪計測ソフト(FatScan; N2システム)を用いて計測した。
【成績】対象症例の年齢層は30歳代~80歳代で、60歳代が95名(34.7%)と最も多かった。VFAは男性130.9±49cm2、女性84.8±45cm2、BMIは男性25.2±6.7、女性24.1±12.0であった。萎縮性胃炎は204例(男性97例、女性107例)、表層性胃炎は49例(男性24例、女性25例)、びらん性胃炎は56例(男性30例、女性26例)、十二指腸炎は13例(男性11例、女性2例)に認めた。十二指腸炎とVFA(p<0.005)およびBMI(p<0.01)との間に有意な関連を認めた。胃炎については有意な関連を認めなかったが、萎縮性胃炎でBMIが高い傾向を認めた。また、男女差について検討したところ、女性では萎縮性胃炎とVFA (p<0.005)およびBMI (p<0.005)との間に有意な関連を認めた。男性では表層性胃炎でVFAが高い傾向を認めた。血液生化学検査では、十二指腸炎とHDLコレステロール(p<0.05)および空腹時血糖(p<0.005)に関連を認めた。
【結論】当院の人間ドック受診者において、肥満と萎縮性胃炎、十二指腸炎との関連が示唆された。
索引用語 内臓脂肪, 胃炎