セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

胃-症例報告1

タイトル 消P-178:

反復するDieulafoy胃潰瘍を合併したcollagenous gastroduodenitisの本邦初報告例

演者 添田 敦子(筑波記念病院・消化器内科)
共同演者 池澤 和人(筑波記念病院・消化器内科), 島 正太郎(筑波記念病院・消化器内科), 廣島 良規(筑波記念病院・消化器内科), 間宮 孝(筑波記念病院・消化器内科), 杉山 弘明(筑波記念病院・消化器内科), 設楽 佐代子(筑波記念病院・消化器内科), 近藤 譲(筑波記念病院・病理部), 中原 朗(筑波記念病院・消化器内科)
抄録 【背景】collagenous gastritis(以下CG)は、本邦ではまだ10例に満たない報告例があるのみで、極めて稀な疾患である。今回、十二指腸球部にも病変を合併したCGにDieulafoy胃潰瘍を併発した症例を経験したので報告する。【症例】21歳女性【主訴】吐血・下血【既往歴】特記事項なし【現病歴】2006年2月、胃体上部のDieulafoy潰瘍で当院へ入院となり、内視鏡的止血術を施行し軽快を得た。その時点ですでに十二指腸球部前壁の萎縮粘膜と、胃前庭部から体部にかけての小結節隆起を認めるも、生検による病理診断は過形成性変化のみであった。なおこの潰瘍加療のために短期間PPIを処方したが、同剤の長期内服歴はない。2011年1月、軽度の心窩部痛が出現し、翌日には暗赤色の吐血とタール便がみられたため、当院へ救急搬送となった。【入院後経過】緊急上部消化管内視鏡では、前回と同部位にDieulafoy潰瘍が認められ内視鏡的に止血術を行なった。また、2006年とほぼ同様の胃炎所見を認め、十二指腸球部および胃粘膜からの生検でcollagen bandを確認し、collagenous gastroduodenitisと診断した。なおヘリコバクターピロリ感染は、複数の検査法にて陰性であった。胃X線検査所見では、胃体上部の潰瘍瘢痕と、体部から前庭部に及ぶ細顆粒状・島状粘膜を認めた。下部消化管内視鏡では明らかな異常所見はなく、生検では20μmを超えるcollagen bandは認めなかった。【考察】CGは、無症状であることも多く一般に予後も良好と考えられている。今回の症例のような、反復性Dieulafoy胃潰瘍とCGとの因果関係は不明であるが、過去の報告症例数が限られている以上、未解決な問題点も少なくない。若干の文献的考察を交えて報告する。
索引用語 collagenous gastritis, collagenous duodenitis