セッション情報 | ポスターセッション(消化器病学会)胃-症例報告2 |
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タイトル | 消P-187:2mm大の0’-IIb型微小癌で、局所的に漿膜浸潤し、Krukenberg腫瘍を契機に発見された胃印環細胞癌の1例 |
演者 | 田村 寿英(国保旭中央病院・消化器内科) |
共同演者 | 宮川 明祐(国保旭中央病院・消化器内科), 石垣 和祥(国保旭中央病院・消化器内科), 高橋 悠(国保旭中央病院・消化器内科), 坂口 賀基(国保旭中央病院・消化器内科), 片桐 智子(国保旭中央病院・消化器内科), 松島 知広(国保旭中央病院・消化器内科), 柳本 蔵人(国保旭中央病院・消化器内科), 山本 隆一(国保旭中央病院・消化器内科), 紫村 治久(国保旭中央病院・消化器内科), 中村 朗(国保旭中央病院・消化器内科), 糸林 詠(国保旭中央病院・消化器内科), 志村 謙次(国保旭中央病院・消化器内科), 阿部 浩幸(東京大・人体病理学・病理診断学), 田中 顕之(国保旭中央病院・臨床病理科), 鈴木 良夫(国保旭中央病院・臨床病理科) |
抄録 | 【目的】卵巣転移胃癌症例のほとんどが漿膜浸潤癌であり、腹膜播種陽性例が多いことは知られているが、その一方で0’-IIc型の早期胃癌がリンパ管侵襲やリンパ節転移を伴いながら卵巣に転移するという報告も数多くなされている。本症例は2mm大の微小な0’-IIb型胃癌で、局所的に漿膜浸潤し、癌性腹膜炎を伴いながら両側卵巣に転移したと考えられ、印環細胞癌の進展様式として貴重な症例と考えられ、今回報告させていただく。 【症例】特に既往歴、内服歴、手術歴のない、生来健康な39歳女性。1か月前から徐々に増強する腹部膨満感を主訴に来院された。来院時腹部は膨隆し、波動を触知し、腹部超音波検査では癌性腹膜炎、下腹部腫瘤と診断。腹水細胞診でClass V, signet ring cell carcinomaの診断であった。卵巣は両側腫大しており、胃癌のKrukenberg腫瘍を疑ったが、その後施行した計2回の上部消化管内視鏡検査で胃癌を疑う所見は認められず、また多数施行した生検でも悪性所見は認められなかった。下部消化管内視鏡検査、造影CT、PET等でも原発巣同定できなかったが、大腸や膵臓、肺等の他臓器に異常認められないことや、原発の胃癌は検出されないことも多いことから、胃癌として加療開始することとなった。Paclitaxelにて計3回治療を行ったが、その後癌性イレウス、腸穿孔を来たし、診断から約7ヶ月後死亡された。 【まとめ】胃の印環細胞癌は、粘膜下層を這うように広がり、スキルス型胃癌となるものが多いが、本症例の様に、局所で深部に浸潤し、腹膜播種や卵巣転移を来たすものが存在することは、今後原発巣を同定しえないKrukenberg腫瘍の治療法を考慮する上で、非常に示唆に富んでいるものであると考える。 |
索引用語 | 印環細胞癌, Krukenberg腫瘍 |