セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

胃-症例報告3

タイトル 消P-188:

髄膜癌腫症を呈した胃癌の3例

演者 小橋川 ちはる(琉球大附属病院・光学医療診療部)
共同演者 田中 照久(琉球大附属病院・1内科), 宮里 公也(琉球大附属病院・1内科), 田端 そうへい(琉球大附属病院・1内科), 大平 哲也(琉球大附属病院・1内科), 海田 正俊(琉球大附属病院・光学医療診療部), 仲本 学(琉球大附属病院・光学医療診療部), 平田 哲生(琉球大附属病院・1内科), 金城 渚(琉球大附属病院・光学医療診療部), 外間 昭(琉球大附属病院・1内科), 金城 福則(琉球大附属病院・光学医療診療部), 藤田 次郎(琉球大附属病院・1内科)
抄録 胃癌による髄膜癌腫症は予後が極めて悪い疾患であり、病状の進行が早く、また治療法が確立していないのが現状である。今回我々は髄膜癌腫症を呈した胃癌の3例を経験したので、若干の文献的考察も加え報告する。
症例1.64歳女性。TXN3M1進行胃癌に対して平成16年11月よりS-1+CDDPによる全身化学療法を施行。平成17年2月意識障害・DICをきたし、頭部CT・造影MRIにて硬膜の濃染像と硬膜下水腫を認め髄膜癌腫症と診断した。TXL+CDDPによる全身化学療法を開始し意識レベルは改善、併発していたDICも回復したが6月に永眠された。
症例2. 30歳男性。T2N3M1進行胃癌に対して平成17年4月よりS-1+TXT、S-1+CPT-11、CPT-11+CDDP、TXL+5’-DFURとメニューを変更しながら全身化学療法を施行していた。平成18年5月頭痛・嘔吐・ろれつ難が出現し、頭部造影MRIにて小脳脳溝に沿って造影効果を認め、髄液検査でclassVより髄膜癌腫症と診断した。MTXの髄腔内化学療法を開始したが効果なく、6月に永眠された。
症例3.38歳女性。平成21年9月近医にてT3N3M1進行胃癌と診断され、S-1にて全身化学療法開始。平成22年1月肺癌性リンパ管症を認め、当院にてCPT-11+CDDPに変更し加療していた。4月に頭痛・悪心・嘔吐が出現し、頭部造影MRIにて左小脳半球脳表に線状造影効果を認め、髄液検査でclassVより髄膜癌腫症と診断した。MTX+Ara-C+PSLによる髄腔内化学療法にて頭痛・悪心・嘔吐は完全に消失し、細胞診はclassIとなった。その後TXLによる全身化学療法も併用し髄膜癌腫症の再燃は認めなかったが、7月肺癌性リンパ管症にて永眠された。
索引用語 髄膜癌腫症, 胃癌