セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

胃-症例報告3

タイトル 消P-190:

腺癌と内分泌細胞癌の混在を認めた胃癌二例

演者 杉本 聡(守口敬任会病院・外科)
共同演者 竹原 寛樹(守口敬任会病院・外科), 高山 昇一(守口敬任会病院・外科), 丸山 憲太郎(守口敬任会病院・外科), 西原 政好(守口敬任会病院・外科), 権 五規(守口敬任会病院・外科), 島田 守(守口敬任会病院・外科), 李 喬遠(守口敬任会病院・外科), 岡 博史(守口敬任会病院・外科)
抄録 消化管内分泌細胞癌はリンパ節転移、血行転移の頻度が高く極めて予後不良な疾患である。今回、我々は急速な転化をたどった、まれな胃内分泌細胞癌の2例を経験した。〔症例1〕80歳男性、食欲不振で入院となる。上部小変に潰瘍を伴う腫瘍とリンパ節腫大を認めた。胃壁外に進展する腫瘍で病理組織診断を行ったところ、cytokeratin陽性CD56 synaptophysin陽性でneuroendocrine carcinomaと診断された。全身状態や認知症の事などから手術は拒否されBSCで経過をみた所、急速に増悪し発症3ヶ月で亡くなった。〔症例2〕79歳男性、吐血にて発症。緊急内視鏡で胃角部に巨大な3型病変を認め、内視鏡的止血が困難にてIVRによるcoilingで止血し得た。壁外進展も強く著明なリンパ節転移と門脈腫瘍塞栓、膵浸潤を認め化学療法を開始した。しばらく化学療法が奏功していたが、次第に再燃し再度消化管出血と経口摂取が不能となった。胃空腸吻合の目的で開腹したが、腫瘍が巨大でしかも出血のコントロールが困難と判断し、幽門側胃切除を行い退院となる。病理組織診断では当初はtub2であったが切除標本ではそれに加え同時に腺管形成の乏しい細胞集塊がみられ、chromografin A陽性 synaptophysin陽性でadeno neuroendoocrine carcinomaと考えられた。胃内分泌細胞癌は稀な疾患で、予後は極めて不良とされている。文献的考察を加えて報告する。
索引用語 腺癌, 胃癌