セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

胃-症例報告3

タイトル 消P-192:

胃癌の多発骨格筋転移に対し放射線治療が奏功した1例

演者 山尾 陽子(国立仙台医療センター・消化器科)
共同演者 高橋 広喜(国立仙台医療センター・消化器科), 野口 謙治(国立仙台医療センター・消化器科), 岩渕 正広(国立仙台医療センター・消化器科), 真野 浩(国立仙台医療センター・消化器科), 鵜飼 克明(国立仙台医療センター・消化器科), 田所 慶一(国立仙台医療センター・消化器科), 鈴木 博義(国立仙台医療センター・臨床検査科)
抄録 【はじめに】胃癌の多発骨格筋転移に対し放射線治療が奏功した1例を経験したので報告する.【症例】60歳,男性.【現病歴】H21年1月に右前腕の蜂窩織炎として近医より当院整形外科へ紹介された.MRIにて軟部腫瘍が疑われ,開放生検にて印環細胞癌を認めたため消化管精査目的に当科紹介となった.上部消化管内視鏡検査(EGD)にて胃角部小弯にType2を認め,生検の結果Adenocarcinoma(por>sig)であった.PET-CT検査の結果,胃角小弯,右前腕,右腋窩,右鎖骨上窩に集積を認めた.【経過】胃癌の胸管,腋窩リンパ節を介したリンパ行性転移,右前腕筋転移と診断し,H21年3月よりTS-1120mg/day,CDDP 100mg併用療法による化学療法を開始した.治療開始後,右前腕の疼痛と腫脹は改善傾向であったが,3クール終了後に再び悪化した.7月より同部に対し放射線治療(計45Gy)を施行したところ,疼痛は軽快し腫脹は消失した.TS-1/CDDP併用療法8クール施行後のEGD及びCT検査で胃病変の増大傾向を認めたため, 同年12月にCPT-11 へ変更したが効果を認めず, H22年3月よりPTX へ変更した.2クール終了した時点で嘔気・嘔吐が強く経口摂取困難となり,EGDにて胃幽門側の狭窄を認めたため,同年5月に胃全摘術,Roux-en-Y再建を施行した.その後もPTX継続したが,好中球減少を認めたため減量しながら加療を継続した.8月に左臀部痛が出現し,MRIで左中臀筋転移を認めた.9月より同部に対し放射線治療(計45Gy)を施行したところ,疼痛は徐々に消失した.H23年1月,CTで吻合部局所再発,癌性腹膜炎が疑われたため,化学療法を終了しベストサポーティブケアに移行した.【結論】胃癌の多発骨格筋転移に対し,放射線治療が奏功し,患者のADL向上につながった1例を経験したので報告する.
索引用語 胃癌, 骨格筋転移