セッション情報 パネルディスカッション2(消化器がん検診学会・消化器病学会・消化器内視鏡学会合同)

超音波検査発見胆膵病変の精密検査のストラテジー

タイトル 消PD2-4:

膵上皮内癌診断のために着目すべき初回画像所見は何か?

演者 山雄 健太郎(尾道総合病院・消化器内科)
共同演者 飯星 知博(尾道総合病院・消化器内科), 花田 敬士(尾道総合病院・消化器内科)
抄録 【目的】膵癌は初期段階で症状を有することが少なく、早期診断が困難とされてきた。治療成績向上のためには、わずかな症状や検査異常での拾い上げが重要であり、患者に低侵襲かつ開業医レベルでも施行可能な腹部超音波検査(US)は胆膵疾患の初回スクリーニング検査に有効な手段と考える。当院では尾道市医師会と協働し、2007年から膵癌早期診断プロジェクトを展開し、多数の小膵癌を診断してきた。今回、その発見契機となった画像所見につき検討した。【方法】尾道市医師会膵癌早期診断プロジェクトでは、現行のガイドラインに記載された危険因子を有する症例に対して、積極的に腹部超音波検査(US)を行う。軽微な主膵管拡張および膵嚢胞性病変が認められた場合、MRCPまたはCT、超音波内視鏡検査(EUS)を行う。EUSで腫瘍性病変を認めればEUS-FNAを、また腫瘍性病変が描出されない症例でも膵管狭窄を認めれば、内視鏡的経鼻膵管ドレナージ(ENPD)留置による繰り返しの膵液細胞診を行った。【対象と成績】2007年1月から2011年9月までに膵癌を疑われ、当院に紹介受診となった症例は1616例であった。このうち前述の方法を用い腫瘍径1cm以下の膵癌を18例、さらにこの中で10例の上皮内癌を診断し得た。上皮内癌10症例のうち、初回の異常所見を腹部USにて指摘された症例は5例で最も多く、内訳は4例が軽微な主膵管拡張、1例は嚢胞性病変であった。次いで造影CTでの軽微な膵管拡張が4例、MRCPでの限局的膵管狭窄が1例であった。10例中9例はERCPで限局性または広範囲の主膵管拡張、または分枝膵管の拡張が認められ、最終的にENPDによる繰り返し膵液細胞診にて腺癌の術前診断が可能であった。【結論】膵上皮内癌の診断には、危険因子を有する症例に対する低侵襲かつ簡便な腹部USおよびCT、MRCPでの異常所見を契機として、ERCPによる正確な膵管像の診断およびENPDによる細胞診に持ち込むアルゴリズムが重要である。
索引用語 膵上皮内癌, 主膵管拡張