セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

十二指腸1

タイトル 消P-194:

我々の施設で経験した十二指腸乳頭部癌の臨床的特徴

演者 野本 朋宏(昭和大・消化器内科)
共同演者 吉田 仁(昭和大・消化器内科), 池上 覚俊(昭和大・消化器内科), 北村 勝哉(昭和大・消化器内科), 岩田 朋之(昭和大・消化器内科), 佐藤 悦基(昭和大・消化器内科), 青木 武士(昭和大・消化器内科DELIMITER昭和大・消化器・一般外科), 榎並 延太(昭和大・消化器内科DELIMITER昭和大・消化器・一般外科), 小池 礼子(昭和大・消化器内科DELIMITER昭和大・消化器・一般外科), 藤森 聡(昭和大・消化器内科DELIMITER昭和大・消化器・一般外科), 村上 雅彦(昭和大・消化器・一般外科), 井廻 道夫(昭和大・消化器内科)
抄録 【目的】我々の施設で経験した十二指腸乳頭部癌の臨床的特徴を明らかにすることを目的とした.【対象】2007年1月1日から2011年2月28日の期間、我々の施設で十二指腸乳頭部癌と診断された患者15例の臨床的特徴や画像所見について検討した。【結果】平均年齢74歳、男女比は6:9であった。来院時、有症状9例、無症状6例であり、症状は、腹痛が最も多かった。有症状例のうち5例はStage III以上であり、無症状例はStage I 5例、Stage II 1例であった。内視鏡所見については、露出腫瘤型 9例、非露出腫瘤型 3例、腫瘤潰瘍型 2例、潰瘍型 1例であった。腫瘤潰瘍型・潰瘍型の3例はStag IVBであった。画像所見では、CT・MRCPにて胆管膵管とも拡張 9例、胆管のみ拡張 5例、胆管膵管とも非拡張 1例であり、CTでは6例、MRIでは8例で腫瘍自体が指摘可能であった(重複例あり)。MRI拡散強調像では、6例中4例で高信号を呈していた。進行度評価のためEUSを8例で施行しており、深達度診断は困難であったが、6例で胆管・膵管内進展像を確認でき有用であった。手術可能であった11例のうち10例は無再発生存中であり、リンパ節転移を認めた1例は術後13カ月で転移再発のため死亡した。手術不能の4例のうち、1例は転院のため転帰不明であるが、3例に化学療法施行し、2例が死亡、1例は現在化学療法中である。【考察】本研究結果から、十二指腸乳頭部癌は、スクリーニングや健診などにより診断された無症状例で早期発見となっており、手術可能であれば長期予後も比較的良好であるといえる。進行度にかかわらず、画像所見では胆管拡張をほぼ全例で認めており、胆管拡張症例には乳頭部腫瘍も念頭に置いて精査する必要があると考えられた。【結語】十二指腸乳頭部癌は、スクリーニングの検査で無症状のうちに早期発見し手術することで長期生存が可能であると考えられる。癌進展の評価にはEUSが適すると推定される。
索引用語 十二指腸乳頭部癌, 早期発見