セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

十二指腸1

タイトル 消P-195:

当院における原発性十二指腸腫瘍59例の検討

演者 鈴木 孝雄(自治医大附属病院・消化器・肝臓内科)
共同演者 大澤 博之(自治医大附属病院・消化器・肝臓内科), 樋之口 真(自治医大附属病院・消化器・肝臓内科), 三浦 義正(自治医大附属病院・消化器・肝臓内科), 新畑 博英(自治医大附属病院・消化器・肝臓内科), 砂田 圭二郎(自治医大附属病院・消化器・肝臓内科), 佐藤 博之(自治医大附属病院・消化器・肝臓内科), 佐藤 貴一(自治医大附属病院・消化器・肝臓内科), 山本 博徳(自治医大附属病院・消化器・肝臓内科), 菅野 健太郎(自治医大附属病院・消化器・肝臓内科), 福嶋 敬宜(自治医大附属病院・病理診断部)
抄録 【背景】原発性十二指腸癌は稀な疾患で、進行して発見される場合が多く予後は一般的に不良である。近年、上部消化管内視鏡検査で十二指腸下行部まで観察することが一般的になり、当院における十二指腸腫瘍症例も増加傾向である。【方法】2005年1月から6年間に当院で内視鏡的治療あるいは外科的治療を行った原発性十二指腸癌24例および十二指腸腺腫35例(乳頭部癌およびポリポーシス症例を除く)計59例(56人)についてデータベースを用いて検討した。【成績】症例の平均年齢は男性64.6歳、女性59.6歳で男女比は2:1であった。占拠部位は乳頭より口側31例(球部11例、上十二指腸角9例、下行部乳頭口側11例)、乳頭対側6例、乳頭より肛門側11例(下行部乳頭肛門側5例、下十二指腸角1例、水平部5例)、下行部の記載のみ11例であった。肉眼形態は0-IIaが29例と最も多く、平均腫瘍径は21.8mmであった。胃粘膜萎縮はclosed typeが 33例、open typeが 22例であった。HP陽性または除菌歴は7例に、PPI内服歴は13例に確認された。胆摘歴は2例に認められた。腺腫および早期癌51例のうち、2例にポリペクトミー、11例にEMR、23例にESD、1例に部分的十二指腸切除術が施行された。内視鏡治療された36例中24例は治癒切除と判断し経過観察されている。悪性腫瘍合併率は食道・胃では10.8%(内視鏡検査施行37例中4例)、大腸では26.1%(内視鏡検査施行23例中6例)、5mm以上の大腸腺腫を含めた腫瘍合併率は69.6%(23例中16例)と高率であった。大腸腺腫の平均腫瘍径は8.2mmで左側結腸(下行結腸、S状結腸、直腸)に多かった(11例中8例)。【結論】十二指腸腫瘍では内視鏡的治癒切除が可能であるため、上部消化管内視鏡検査においては十二指腸下行部までは注意深く観察する必要がある。また、大腸腫瘍の合併が高率であることを念頭において下部消化管内視鏡検査を施行することが重要である。
索引用語 原発性十二指腸癌, 十二指腸腺腫