セッション情報 |
パネルディスカッション2(消化器がん検診学会・消化器病学会・消化器内視鏡学会合同)
超音波検査発見胆膵病変の精密検査のストラテジー
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タイトル |
消PD2-5:膵癌診断ストラテジーと各画像検査の比較検討
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演者 |
鎌田 研(近畿大・消化器内科) |
共同演者 |
北野 雅之(近畿大・消化器内科), 工藤 正俊(近畿大・消化器内科) |
抄録 |
【目的】当院における膵の精密検査のストラテジーとその成績を報告する。【対象】2007年3月から2011年7月までに、超音波検査(US)で膵癌を疑う異常所見が認められ、精密検査が行われた771例。【方法】当院における膵の精密検査のストラテジーとして、USで主膵管拡張、嚢胞、結節、総胆管拡張が認められる場合は、原則として造影ハーモニック超音波検査(CE-US)、造影CT検査(CE-CT)、EUS検査(EUS)および造影ハーモニックEUS検査(CH-EUS)を行っている。その結果、膵に充実性病変が認められる場合は、乏血性病変であれば膵液細胞診を、非乏血性病変であればEUS-FNAを優先的に行っている。膵周囲の脈管への浸潤または遠隔転移が疑われる症例に対しては、EUS-FNAを第一選択とし、化学療法前の組織学的根拠を得る方針である。充実性病変は認められないが、主膵管拡張または限局性膵管狭窄が認められる場合は、経乳頭的診断を第一選択としている。各種画像検査における通常型膵癌の検出および確定診断能ついて検討した。【成績】合計238例の通常型膵癌が最終診断された。発見契機となったUSでの異常所見は、26例(主膵管拡張12例、嚢胞11例、総胆管拡張3例)が間接所見のみであった。US、CE-CTおよびEUSにおける通常型膵癌の検出感度はそれぞれ89%、91%および97%であり、EUSが最も高値であった。USおよびEUSでは、造影超音波の結果を加味することで、検出感度はそれぞれ4%および2%上昇した。乏血性腫瘤を通常型膵癌とした場合のCH-EUSの感度は95%であり、特異度は90%であった。手術例において、CH-EUSでの非乏血性腫瘤またはEUS-FNA陽性を通常型膵癌とした場合、感度は100%であった。腫瘤像を認めない通常型膵癌は3例あり、そのうち2例は膵液細胞診にて診断し得た。【結語】USで膵に異常が認められる場合はCE-USやEUSを行い、必要な症例に病理診断を加えることで膵癌の早期発見・早期診断が可能になると考えられる。 |
索引用語 |
EUS, EUS-FNA |