セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

十二指腸2

タイトル 消P-205:

胃十二指腸動脈の走行が膵原発腫瘍との鑑別に寄与した十二指腸GISTの二例

演者 重友 美紀(静岡県立総合病院・消化器内科)
共同演者 菊山 正隆(静岡県立総合病院・消化器内科), 黒上 貴史(静岡県立総合病院・消化器内科), 松村 和宜(静岡県立総合病院・消化器内科), 永倉 千紗子(静岡県立総合病院・消化器内科), 吉田 将雄(静岡県立総合病院・消化器内科), 上田 樹(静岡県立総合病院・消化器内科), 木村 勇斗(静岡県立総合病院・消化器内科), 丸野 貴久(静岡県立総合病院・消化器内科), 白根 尚文(静岡県立総合病院・消化器内科), 鈴木 直之(静岡県立総合病院・消化器内科), 萱原 隆久(静岡県立総合病院・消化器内科), 渡邉 昌也(静岡県立総合病院・外科), 伊関 丈治(静岡県立総合病院・外科), 新井 一守(静岡県立総合病院・病理診断科), 鈴木 誠(静岡県立総合病院・病理診断科)
抄録 十二指腸GISTと膵腫瘤は画像的に腫瘤との連続性を明瞭に把握するのが困難であり鑑別に難渋することが多い。今回栄養血管の走行が鑑別の一助になりうる十二指腸GISTの2症例を経験したので報告する。症例1は73歳男性でC型肝炎の経過観察中の画像検査にて偶然発見された。上部消化管内視鏡にて上十二指腸角に20mmの粘膜下隆起を認め、腹部造影CTでは膵頭部と十二指腸下行脚の間に早期から造影される腫瘤を認めた。また栄養血管と思われる太い胃十二指腸動脈が、膵と腫瘤の間を走行していた。超音波内視鏡にて腫瘤と十二指腸筋層と連続していた。症例2は74歳男性で下血を契機に発見された。上部消化管内視鏡にて十二指腸乳頭の肛門側に巨大な粘膜下腫瘍様の隆起性病変を認め、大部分は正常粘膜で覆われていたが浅く小さな潰瘍性病変を認めた。腹部造影CTにて、下十二指腸角付近に早期相で辺縁が濃染され内部が低吸収域を呈する50mm大の腫瘤を認めた。胃十二指腸動脈は太く腫瘤へと走行し、その分岐が膵と腫瘍の間を走行していた。超音波内視鏡にて、腫瘤は膵内に突出するように存在するが、境界は明瞭であり、また十二指腸筋層と連続していた。2症例共に、腹部造影CT検査にて栄養血管と思われる胃十二指腸動脈が膵と腫瘤の間を走行していることが確認され、さらに超音波内視鏡により筋層と連続性があることより、十二指腸原発の腫瘤性病変としてGISTを第一に考え、外科治療を行った。術後病理は両者とも、GISTであった。何れも膵臓との境界が不明瞭であり膵腫瘤との鑑別に難渋したが、胃十二指腸動脈の腫瘤と膵との間の走行、および超音波内視鏡による十二指腸筋層との連続性、をそれぞれ確認したことがGISTの術前診断に寄与した。
索引用語 十二指腸GIST, 膵腫瘍