セッション情報 | ポスターセッション(消化器病学会)小腸-基礎1 |
---|---|
タイトル | 消P-208:HSP60siRNAを導入したラット小腸粘膜上皮細胞における細胞保護作用について |
演者 | 高田 真紀子(順天堂大・消化器内科) |
共同演者 | 大高 道郎(順天堂大・消化器内科), 上田 久美子(順天堂大・消化器内科), 和泉 裕子(順天堂大・消化器内科), 坂本 直人(順天堂大・消化器内科), 澁谷 智義(順天堂大・消化器内科), 渡辺 純夫(順天堂大・消化器内科) |
抄録 | 【目的】近年小腸粘膜病変が注目され小腸粘膜防御機能について検討されているが、まだ解明されていない点が多い。我々は、これまでの研究でHSP60高発現小腸粘膜上皮細胞において粘膜防御能が増強することを明らかにし報告してきた。今回siRNA(small interfering RNA)によりHSP60をノックダウンした小腸粘膜上皮細胞の細胞防御能を検討し、HSP60の粘膜保護作用における役割を検討した。【方法】ラット小腸粘膜上皮細胞(IEC-6細胞,コントロール細胞)とHSP60をノックダウンしたラット小腸粘膜上皮細胞(IEC-6-60KD細胞) をそれぞれ96 well plateで無血清培地にて培養し、過酸化水素(0-0.05mM)を添加し3時間incubateした後、MTT試薬を加えて吸光度を測定、それぞれのcontrol (0μM)の値を100%とし、cell viabilityを算出した。また、LDH- releaseにより抗ネクローシス能について検討した。同様にindomethacin(IND)(0-0.5mM) を添加し、24時間incubateした後、cell viabilityを算出した。また、TUNEL染色により抗アポトーシス能について検討した。【成績】IEC-6-60KD細胞において、コントロール細胞と比較し、cell viabilityおよびLDL-releaseにより評価した過酸化水素誘発のcell necrosisは有意に高度であった。また、IEC-6-60KD細胞において、コントロール細胞と比較し、cell viabilityおよびTUNEL染色により評価したIND誘発のapoptosisは有意に高度であった。【結論】今回の我々の研究で、小腸粘膜上皮細胞ではHSP60の発現を抑制することで過酸化水素誘発の抗ネクローシス能、およびNSAID誘発の抗アポトーシス能が有意に低下することが明らかとなり、HSP60は小腸粘膜防御機能において重要であることが強く示唆された。 |
索引用語 | siRNA, hsp |