セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

小腸-基礎1

タイトル 消P-209:

十二指腸癌、小腸癌におけるmicroRNA-143, -145の発現

演者 釜谷 明美(藤田保健衛生大・消化管内科)
共同演者 中川 義仁(藤田保健衛生大・消化管内科), 赤尾 幸博(岐阜大大学院連合創薬医療情報研究科・創薬科学), 丸山 尚子(藤田保健衛生大・消化管内科), 高城 武嗣(北摂総合病院・一般・消化器外科), 高木 篤(協立総合病院・内科(消化器)), 平田 一郎(藤田保健衛生大・消化管内科)
抄録 【目的】microRNAは22-25ヌクレオチドの小さな機能性RNAで、標的となるmRNAと結合して翻訳調節をすることから、生体内で重要な役割を果たしており、その破綻は疾患と深く関連する。我々はこれまでに胃癌および大腸癌においてmiR-143,-145が低発現することを報告してきた。今回十二指腸癌および空腸癌を一例ずつ経験したのでこれらの腫瘍組織におけるmiR-143,-145の発現を検討した。【方法】十二指腸癌1例と空腸癌1例および胃癌43例、大腸癌96例についてmiR-143,-145の発現について解析した。【成績】miR-143の発現は十二指腸癌および空腸癌では低下を認めなかった。胃癌では30/43例(69.8%)、大腸癌では69/96例(71.9%)と高率にmiR-143の発現が低下していた。一方miR-145においても十二指腸癌および空腸癌において発現の低下は認めなかった。胃癌ではmiR-145では27/43(62.8%)、大腸癌では75/96(78.1%)と高率にmiR-145の発現低下を認めた。【結論】胃および大腸癌においてはmiR-143,-145の発現が低下しているにも関わらず十二指腸、空腸癌においてはmiR-143,-145発現の低下を認めなかった。当症例数は各1例と少ないもののmiR-143,-145の発現が小腸癌においては胃癌や大腸癌とは異なる可能性があると示唆された。今後さらなる症例の収集と他のmicroRNA解析についても比較検討を行う必要があると考えられた。
索引用語 microRNA, 小腸癌