セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

小腸-基礎2

タイトル 消P-212:

炎症性腸疾患におけるFibrocyteの関与

演者 佐塚 小百合(千葉大大学院・腫瘍内科学)
共同演者 上原 広嗣(千葉大大学院・腫瘍内科学), 齋藤 景子(千葉大大学院・腫瘍内科学), 齋藤 昌也(千葉大大学院・腫瘍内科学), 古矢 裕歩子(千葉大大学院・腫瘍内科学), 中川 倫夫(千葉大大学院・腫瘍内科学), 佐藤 徹(千葉大大学院・腫瘍内科学), 勝野 達郎(千葉大大学院・腫瘍内科学), 横須賀 收(千葉大大学院・腫瘍内科学)
抄録 【目的】組織線維化において血中に存在する骨髄由来の間葉系細胞:Fibrocyteの関与が指摘されている。ヒトにおいてケロイド、強皮症、肺線維症、気道線維化など様々な疾患において関与が示されているが、炎症性腸疾患においては動物モデル、ヒトいずれも関与が明らかにされていない。そこで炎症性腸疾患におけるFibrocyteの関与をマウスとヒトの腸管組織を対象に検討した。【方法】検討1:DSS腸炎マウスを用い、DSS投与0、7、14日後の大腸組織の凍結切片をCD45、collagen type Iで免疫染色し、double positive cell(Fibrocyte)の有無および形態の変化について検討した。検討2:クローン病患者の小腸切除標本の凍結切片を用い、LSP-1、collagen type Iで免疫染色し、double positive cell(Fibrocyte)の有無を検討した。また、LSP-1陽性細胞中のFibrocyteの割合を任意の3視野の平均値から比較検討した。【成績】検討1:DSS投与0日の大腸組織にはFibrocyteは存在しなかった。炎症の極期にあたる投与7日後には円形のFibrocyteが粘膜下層に確認された。治癒期にあたる14日後には紡錘形に形態変化していた。検討2:非炎症部、潰瘍部、瘻孔部いずれの部位においても粘膜固有層にFibrocyteが確認された。LSP-1陽性細胞中のFibrocyteの割合は、非炎症部位で2.48%であったのに対し、潰瘍部で22.15%(p<0.01)、瘻孔部で2.23%(p=0.87)と炎症期に有意に増加し、治癒期には非炎症時レベルに低下していた。【結論】Fibrocyteはマウス、ヒトの腸管組織において炎症期に粘膜固有層から粘膜下層付近に誘導されることが示された。マウスでは、治癒期にはfibroblast様の形態に変化することが証明され、線維化への関与が示された。炎症性腸疾患の線維化にFibrocyteの関与が考えられた。線維化を防ぐ方法としてFibrocyteが誘導されるような炎症の再燃予防が重要であることが、Fibrocyteの視点から明らかになった。
索引用語 クローン病, Fibrocyte