セッション情報 パネルディスカッション2(消化器がん検診学会・消化器病学会・消化器内視鏡学会合同)

超音波検査発見胆膵病変の精密検査のストラテジー

タイトル 内PD2-6:

RAW-imageを用いた新しいEUS画像診断 -Tissue characterizationによる膵癌と慢性膵炎の鑑別診断-

演者 入澤 篤志(福島県立医大・会津医療センター準備室)
共同演者 高木 忠之(福島県立医大・消化器・リウマチ膠原病内科), 大平 弘正(福島県立医大・消化器・リウマチ膠原病内科)
抄録 【背景】近年、超音波振動子が受信した素の信号であるRAW-dataを用いたTissue characterizationによる画像診断が試みられている。【目的】EUS-tissue characterizationによる膵癌(PC)と慢性膵炎(CP)の鑑別診断法を確立する。【方法】対象患者はCP10人とPC28人。最終診断はEUS/EUS-FNA、外科手術、または6ヶ月以上の経過観察とした。EUSはオリンパス社製ラジアル・コンベックス走査式を用い、観測装置(同社EU-ME1)内にRAW-image formatで保存した。RAW-imageに含まれるFrequencyのみから画像を構築した。得られた画像内に3カ所のROIを設定し、この中のMid-band fitとInterceptといった2つのパラメータの平均値を算出し、画像の定量化を行った。【成績】PC群とCP群には、各パラメータで有意差あり(Intercept平均値;PC -62+/-4.6 dB vs. CP -56+/-2.8 dB, p<0.001.Mid-band fit平均値; PC -54+/-3.4 dB vs. CP -47+/-2.3 dB, p<0.001)。これらのパラメータを用いるとPCとCPは明瞭に区別された(図)。【結論】本法は、特にCPに合併した小PCの描出において高い有用性を発揮する可能性が示唆され、膵精密検査ストラテジーの新たな一環になると考えられた。
索引用語 EUS, 膵癌