セッション情報 | ポスターセッション(消化器病学会)小腸-基礎2 |
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タイトル | 消P-213:クローン病モデルマウスの腸管局所におけるSERTおよびTPH-1の発現に関する検討 |
演者 | 多田 育賢(島根大附属病院・消化器内科) |
共同演者 | 石原 俊治(島根大附属病院・消化器内科), 楠 龍策(島根大附属病院・消化器内科), 岡 明彦(島根大附属病院・消化器内科), 福庭 暢彦(島根大附属病院・消化器内科), 森山 一郎(島根大附属病院・腫瘍センター), 結城 崇史(島根大附属病院・光学医療診療部), 川島 耕作(島根大附属病院・消化器内科), 天野 祐二(島根大附属病院・光学医療診療部), 木下 芳一(島根大附属病院・消化器内科) |
抄録 | (背景と目的)セロトニンは脳腸相関に深く関係する神経伝達物質であり、蠕動運動を含む消化管機能に関与する。セロトニンは腸クロム親和性細胞の一つであるEC細胞にて、トリプトファン水酸化酵素(Tryptophan hydroxylase:TPH-1)を律速酵素として合成される。主な除去機構として、セロトニン再取り込みトランスポーター(Serotonin reuptake transporter :SERT)を介して腸粘膜細胞に取り込まれる。一般に、過敏性腸症候群の病態にセロトニン代謝が深く関わることは報告されているが、炎症性腸疾患の病態におけるセロトニンの関与はいまだ不明な点が多く、腸管の慢性炎症モデルを用いた報告はみられない。今回我々はクローン病モデルマウスであるSAMP1/Yitを用いて、腸炎発症過程におけるTPH-1およびSERTの経時的発現を検討した。(方法)5、10、15、20、25週齢のSAMP1/Yitマウスをそれぞれ5匹ずつ用いた。コントロールにはAKRマウスを用いた。回腸末端部を採取し、SERTとTPH-1の発現量をreal-time PCR法で検討した、腸管炎症は病理組織学的に評価し、腸管組織局所におけるIL-8とTNF-αの発現量をreal-time PCR法にて測定した。(結果)SAMP1/Yitでは週齢とともに回腸炎の発生が認められ、粘膜局所におけるIL-8とTNF-αの発現は増加し、TPH-1の発現量と正の相関が認めた。一方、回腸粘膜のSERTは炎症とともに発現が低下し、炎症性サイトカインの発現と負の相関を認めた。(結語)クローン病モデルマウスでは、腸炎の発症によってセロトニン代謝の変化が認められ、腸管の持続性炎症や病態の増悪に関わる可能性が示唆された。 |
索引用語 | クローン病モデルマウス, セロトニン |