セッション情報 | ポスターセッション(消化器病学会)小腸-基礎2 |
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タイトル | 消P-214:クローン病モデルマウスのT細胞に対する制御性B細胞の影響 |
演者 | 岡 明彦(島根大附属病院・消化器内科) |
共同演者 | 石原 俊治(島根大附属病院・消化器内科), 多田 育賢(島根大附属病院・消化器内科), 楠 龍策(島根大附属病院・消化器内科), 福庭 暢彦(島根大附属病院・消化器内科), 森山 一郎(島根大附属病院・腫瘍センター), 結城 崇史(島根大附属病院・光学医療診療部), 天野 祐二(島根大附属病院・光学医療診療部), 木下 芳一(島根大附属病院・消化器内科) |
抄録 | 【目的】 炎症性腸疾患の病態におけるB細胞に関する検討は少ない.B細胞にはInterleukin-10(IL-10)を産生し炎症を制御するサブセットが存在する.我々の検討では,IL-10産生B細胞は,CD19,CD1d強発現(CD19highCD1dhigh)という特徴を有し,クローン病モデルマウスの腸炎を抑制した.今回,その抑制機序について検討した. 【方法】 1.細胞分離 正常マウス(AKR/N)の腸間膜リンパ節からB細胞を磁気分離し,ソーティングによりCD19highCD1dhighB細胞と非CD19highCD1dhighB細胞を分離した.クローン病マウス(SAMP1/Yit)の腸間膜リンパ節からCD4陽性T細胞を磁気分離した. 2.共培養 CD4陽性T細胞とCD19highCD1dhighB細胞,あるいは非CD19highCD1dhighB細胞を,CD3,CpG刺激下,抗IL-10抗体投与下で共培養した. 3.サイトカイン産生の検討 培養上清中のINF-γ,TNF-α,IL-4をEIAで測定した.また,フローサイトメトリーにてINF-γ,TNF-α,IL-4産生細胞数を測定した. 【成績】 IL-10産生B細胞であるCD19highCD1dhighB細胞は,CD4陽性T細胞からのIFN-γ,TNF-α産生を有意に抑制した.また,その作用は抗IL-10抗体によって減弱した.一方,非CD19highCD1dhighB細胞はCD4T細胞からのIFN-γ,TNF-α産生を増加させる傾向にあった. 【結論】 IL-10産生B細胞はCD4陽性T細胞からのIFN-γ,TNF-α産生を抑制することによって,腸炎を抑制する可能性が示唆された. |
索引用語 | クローン病, B細胞 |