セッション情報 | ポスターセッション(消化器病学会)小腸-基礎2 |
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タイトル | 消P-216:インドメタシン小腸粘膜傷害におけるheme oxygenase-1の治療標的分子としての可能性 |
演者 | 寄木 浩行(京都府立医大大学院・消化器内科学) |
共同演者 | 内藤 裕二(京都府立医大大学院・消化器内科学), 高木 智久(京都府立医大大学院・消化器内科学), 春里 暁人(京都府立医大大学院・消化器内科学), 辻 俊史(京都府立医大大学院・消化器内科学), 久貝 宗弘(京都府立医大大学院・消化器内科学), 堀江 隆介(京都府立医大大学院・消化器内科学), 吉田 直久(京都府立医大大学院・消化器内科学), 堅田 和弘(京都府立医大大学院・消化器内科学), 内山 和彦(京都府立医大大学院・消化器内科学), 半田 修(京都府立医大大学院・消化器内科学), 石川 剛(京都府立医大大学院・消化器内科学), 八木 信明(京都府立医大大学院・消化器内科学), 古倉 聡(京都府立医大大学院・消化器内科学), 市川 寛(京都府立医大大学院・消化器内科学), 武藤 哲彦(東北大大学院・生物化学), 五十嵐 和彦(東北大大学院・生物化学), 吉川 敏一(京都府立医大大学院・消化器内科学) |
抄録 | 【目的】近年、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)による小腸粘膜傷害の存在が明らかとなってきているが、その成因には諸説あり、治療法は依然確立されてない。一方、抗酸化酵素Heme Oxygenase-1(HO-1)は様々な炎症病態において臓器保護効果を発揮することが報告されているが、NSAIDs小腸粘膜傷害における役割は明らかではない。またHO-1の発現調節機構としては、転写因子であるNrf2およびBach1が重要であり、前者は発現促進的、後者は発現抑制的に作用することが報告されている。今回我々は、NSAIDsによる小腸粘膜傷害でのHO-1ならびにこれらの転写因子の役割を検討した。【方法】マウスにインドメタシン(IND)を皮下投与し小腸粘膜障害を作製した。IND投与24時間後に小腸を摘出して、潰瘍係数を測定し病変を評価した。また、IND投与前にHO-1誘導剤Heminを腹腔内投与することによる治療効果について検討するとともに、Nrf2欠損マウス、Bach1欠損マウスでの比較検討も行った。【結果】Hemin投与によりマウス小腸粘膜においてマクロファージを中心にHO-1発現が亢進した。Hemin投与群ではIND惹起性小腸粘膜障害は有意に抑制され、小腸粘膜中MPO活性も有意に減少していた。転写因子Nrf2/Bach1欠損マウスを用いた検討では、野生型と比較してNrf2欠損マウスでHO-1発現が低下すると共に粘膜障害は増悪し、Bach1欠損マウスではHO-1発現が亢進すると共に粘膜傷害は改善していた。【結論】HO-1ならびにHO-1発現調節機構を担う転写因子Nrf2/Bach1は、NSAIDs小腸粘膜傷害において新規治療標的分子としてなりうる可能性が示唆された。 |
索引用語 | NSAIDs, 小腸 |