セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

小腸-臨床1

タイトル 消P-221:

小腸カプセル内視鏡の有効性と安全性に関する検討

演者 山本 宗平(国立呉医療センター・中国がんセンター消化器科)
共同演者 桑井 寿雄(国立呉医療センター・中国がんセンター消化器科), 水本 健(国立呉医療センター・中国がんセンター消化器科), 檜山 雄一(国立呉医療センター・中国がんセンター消化器科), 木村 治紀(国立呉医療センター・中国がんセンター消化器科), 平田 真由子(国立呉医療センター・中国がんセンター消化器科), 山口 厚(国立呉医療センター・中国がんセンター消化器科), 河野 博孝(国立呉医療センター・中国がんセンター消化器科), 高野 弘嗣(国立呉医療センター・中国がんセンター消化器科)
抄録 【目的】近年カプセル内視鏡は小腸病変の検査法として急速に普及しつつあり、現在原因不明の消化管出血に保険適応となっている。今回我々は小腸カプセル内視鏡の有効性及び安全性に関して検討した。【方法】2009年11月から2011年1月に小腸カプセル内視鏡を施行した27例を対象とし患者背景、施行目的、合併症、胃小腸通過時間、診断能などを検討した。当院ではGiven Imaging社製カプセル内視鏡を導入している。【成績】患者背景は男性16例、女性11例、平均年齢63.7歳(26~97歳)であり、入院患者19例、外来患者8例であった。検査目的は消化管出血精査20例、腹痛精査4例、イレウス精査2例、原因不明の貧血精査1例であった。合併症に関して十二指腸憩室内にカプセルが滞留し、そのまま検査が終了したものが1例あったが、全例において最終的にカプセルは排出された。その他カプセル内視鏡による合併症は認めなかった。胃小腸通過時間の検討では胃通過時間は残渣多量にて通過時点が特定できなかった1例と6時間以上胃内で滞留した1例を除き、平均63.3分であった。検査終了までに大腸への到達が確認できたのは24例であり、小腸通過時間は平均293.3分であった。内視鏡診断はびらん・発赤が13例、異常なし6例、SMT様隆起4例、潰瘍3例、出血3例であった(重複あり)。出血例のうち2例は小腸カプセル内視鏡終了後、シングルバルーン内視鏡を経肛門的に施行し、出血部位にクリッピングすることにより止血処置が可能であった。【結論】小腸カプセル内視鏡は苦痛が少なく、合併症を認めることなく安全に施行することが可能であった。また小腸出血の患者2例に対して、小腸カプセル内視鏡で出血部位を同定後、シングルバルーン内視鏡で止血処置を行うという手順が非常に有効であったことから、原因不明の消化管出血にはカプセル内視鏡を先行し、病変の拾い上げ診断後バルーン内視鏡で治療を行う手順が有効であると考えられた。
索引用語 カプセル内視鏡, 消化管出血