セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

小腸-臨床2

タイトル 消P-225:

当院における小腸透視の検討

演者 冨岡 恵(平鹿総合病院・消化器科)
共同演者 堀川 洋平(平鹿総合病院・消化器科), 水溜 浩弥(平鹿総合病院・消化器科), 三森 展也(平鹿総合病院・消化器科), 加藤 雄平(平鹿総合病院・消化器科), 五十嵐 公洋(平鹿総合病院・消化器科), 澤口 昌亨(平鹿総合病院・消化器科), 柴田 昌幸(平鹿総合病院・消化器科), 吉田 直樹(平鹿総合病院・消化器科), 大久保 俊治(平鹿総合病院・消化器科)
抄録 【目的】小腸検査にカプセル内視鏡(CE)やバルーン内視鏡(BE)が導入され,特に小腸出血において,診断・治療精度は飛躍的に向上している.一方,形態や蠕動の観察,さらに狭窄症例など,小腸透視の優位性が保たれている領域も存在する.現在,当院では消化管出血症例を除き,小腸疾患の精査においては小腸透視を第一選択としている.これらの症例を詳細に検討することで,これからの小腸透視の適応や利点を明確にすることを目的とした.【方法】H22年1月から12月の期間,当科にて小腸透視を施行した36例を対象に,方法・所見・診断・転帰,さらに最終診断との一致率などについて検討した.【結果】対象とした全36症例で,平均年齢67±14歳,十二指腸チューブを使用した小腸二重造影検査が18例,イレウスチューブによる小腸造影検査が18例であった.所見は癒着が18例,診断も癒着性イレウスが18例と多く認められた.少数ながら,悪性腫瘍,Crohn病,単純性潰瘍などの症例も認められた.小腸透視と最終診断との一致率は77.8%とCT所見との一致率47.2%に比し高値であった.【考察】全36例中18例が癒着性イレウスであり,小腸透視をイレウスの原因検索として行うことが多いことに起因すると考えられる.また,透視では形態のみならず,リアルタイムに腸管運動を観察できるため,癒着部位や程度,腸管運動も正確に把握できた.CT所見に比べて一致率が高い理由と考えられる. 以上の理由から,腸閉塞の病態把握,さらに頻度は少ないものの悪性腫瘍やIBDの拾い上げなど,小腸透視の有用性が示唆された.
索引用語 小腸透視の適応, 小腸透視の有用性