セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

小腸-症例報告1

タイトル 消P-231:

腸管型T細胞性悪性リンパ腫の手術症例の3例の検討

演者 升森 宏次(藤田保健衛生大・下部消化管外科)
共同演者 前田 耕太郎(藤田保健衛生大・下部消化管外科), 佐藤 美信(藤田保健衛生大・下部消化管外科), 小出 欣和(藤田保健衛生大・下部消化管外科), 勝野 秀稔(藤田保健衛生大・下部消化管外科), 野呂 智仁(藤田保健衛生大・下部消化管外科), 本多 克行(藤田保健衛生大・下部消化管外科), 遠山 邦宏(藤田保健衛生大・下部消化管外科)
抄録 全消化管悪性腫瘍のうち悪性リンパ腫は1~10%と稀な疾患であるが、腸管型T細胞性悪性リンパ腫は悪性リンパ腫全体の0.25%、非ホジキンリンパ腫の0.36%と非常に稀な疾患である。今回手術となった3症例を経験したので報告する。【対象】1994年から2010年までの腸管悪性リンパ腫症例は19例。その内、手術を施行した腸管型T細胞性悪性リンパ腫症例は3例で、小腸型2例、大腸型1例、性別は男性2例、女性1例、平均年齢64歳。【結果】初発症状は、2例が腹痛で、1例は無症候であった。術前診断の確定が得られていたのは2例で、術前内視鏡による生検で診断され、1例は術前確定診断できなかった。緊急手術症例は、2例が穿孔で、CT検査では、腹腔内遊離ガス像、fluido collectionを認めた。1例は楔状切除術、1例は結腸全摘除術+回腸瘻造設術が施行された。待機手術症例は1例で、腹腔鏡補助下空腸部分切除術が施行された。原発巣は空腸2例、大腸1例(S状結腸から上行結腸に多発潰瘍を呈し、S状結腸、横行結腸に穿孔)、肉眼分類では、すべて潰瘍型であった。病期分類では1期1例、4期2例。術後化学療法は3例に施行され、CHOP療法が2例、CycloBEAP療法が1例施行された。1期でCycloBEAP療法を施行した症例の予後は17ヶ月であったが、他の症例の予後は2ヶ月以内と治療抵抗性であり、3例とも多臓器不全にて死亡した。【まとめ】腸管型T細胞性悪性リンパ腫の治療としては手術、化学療法が選択されるが、治療に抵抗性であり、予後は極めて不良である。
索引用語 悪性リンパ腫, 腸管T細胞