セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

小腸-症例報告2

タイトル 消P-242:

腸閉塞にて発症した原発性消化管アミロイドーシスの一例

演者 中込 良(東芝病院・消化器内科)
共同演者 松原 康朗(東芝病院・消化器内科), 井上 陽介(東芝病院・消化器内科), 三好 由里子(東芝病院・消化器内科), 中山 千恵美(東芝病院・消化器内科), 田上 大祐(東芝病院・消化器内科), 田代 淳(東芝病院・消化器内科), 手島 一陽(東芝病院・消化器内科), 金原 猛(東芝病院・消化器内科), 三輪 純(東芝病院・消化器内科), 太田 裕彦(東芝病院・消化器内科), 井石 秀明(東芝病院・外科), 平林 寧子(東芝病院・病理科), 新井 雅裕(東芝病院・消化器内科)
抄録 【症例】39歳男性。2010年8月22日より中国へ出張、同月25日より発熱・腹痛が出現し症状が増悪傾向のため、28日に現地の病院を受診。腹部単純X線で鏡面像の形成、拡張小腸ガス像を認め腸閉塞と診断された。経鼻胃管挿入後3日間の経過で腹痛が軽快傾向であったため9月1日に自主退院。同日帰国し当院初診、腹部X線であらためて腸閉塞と診断され入院となった。入院後イレウス管を挿入し、排液は良好で腹部症状は改善傾向を示したが、画像上の腸閉塞所見は著変なく経過した。腹部CTで小腸のびまん性の壁肥厚、腸間膜リンパ節の腫大がみられ、炎症性腸疾患の可能性も考えられたが確定診断に至らず、腸閉塞の改善不良のため、9月13日外科手術となった。開腹所見では小腸は肛門側の約1mを除き、浮腫や拡張がみられ、空腸で約1mにわたり壁の菲薄化を伴っていた。同部を切除し人工肛門を造設した。切除標本の粘膜は多数の結節を伴い、脆弱で易出血性であった。組織所見では著明なアミロイド沈着を認めた(AL type)。骨髄穿刺で異常を認めないなど、アミロイドーシスの基礎疾患はみられず、原発性消化管アミロイドーシスと診断された。人工肛門部の粘膜が脆弱のため閉鎖は行わず、在宅中心静脈栄養にて経過観察中である。【結語】腸閉塞にて発症した原発性消化管アミロイドーシスの一例を経験した。原発性アミロイドーシスに伴う偽性腸閉塞は予後不良とされているが、一方でアミロイドが消化管に限局し予後が良好な症例も報告されている。本症例の特徴に文献的考察を加え報告する。
索引用語 アミロイドーシス, 腸閉塞