セッション情報 |
ポスターセッション(消化器病学会)
小腸-症例報告3
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タイトル |
消P-244:Winslow孔ヘルニアの1例
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演者 |
和久 利彦(中国中央病院・外科) |
共同演者 |
神原 健(中国中央病院・外科), 万波 智彦(中国中央病院・内科) |
抄録 |
内ヘルニアは体腔内の異常に大きいfossa、fovea(窪み、窩)、foramen(裂孔)の中に腹腔内臓器が嵌入する比較的稀な疾患で、その多くはイレウスで発症する。今回われわれは内ヘルニアの一つであるWinslow孔ヘルニアの1例を経験したので報告する。症例は31歳、男性。前日から続く上腹部痛、嘔吐を主訴に当院受診し入院となった。入院時現症では上腹部軽度膨満し圧痛を認めたが筋性防御、反跳痛は認められなかった。腹部CT検査では、腹水および空腸の拡張像を認め、肝門部では腸間膜が収束している所見も認められた。Winslow孔ヘルニアの疑いにて入院2日目に緊急手術を施行した。開腹すると大量の血性腹水を認めた。Treitz靱帯より肛門側170cm~190cmの小腸が、Winslow孔から網嚢内へ嵌入していた。嵌入小腸は壊死に陥っていたため小腸部分切除を行った。Winslow孔は2横指程度開大している以外、上行結腸の後腹膜への固定の欠如、小腸間膜の異常な過長、総腸間膜症の存在、異常に大きな肝右葉を認めなかった。術前腹部CTにてWinslow孔ヘルニアを疑うことができたが、原因不明の急性腹症の診断に際してWinslow孔ヘルニアを念頭におきながら、画像診断を行う必要があると考えられた。 |
索引用語 |
Winslow孔ヘルニア, 腹部CT |