セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

小腸-症例報告3

タイトル 消P-245:

妊娠11週に発症した絞扼性イレウスの診断にMRIが有効であった1例

演者 金子 高明(国保松戸市立病院・外科)
共同演者 尾形 章(国保松戸市立病院・外科), 吉村 光太郎(国保松戸市立病院・外科), 芝崎 暎仁(国保松戸市立病院・外科), 福田 啓之(国保松戸市立病院・外科), 伏見 航也(国保松戸市立病院・外科), 千田 貴志(国保松戸市立病院・外科)
抄録 症例は37歳、妊娠11週の経産婦。既往歴:手術歴なし。現病歴:2010年7月下旬、冷や汗を伴う心窩部痛出現し、妊娠悪阻と診断され、近医産婦人科入院。補液にて経過をみていたが、翌日、腹水貯留、腸管拡張を認め、イレウスの診断で紹介され入院となった。問診で、腹部症状が出る前に、ややいたんだきゅうりと赤身の刺身を食べたとのことであった。入院時XP、超音波では、腸液貯留像がみられた。入院後胃管を挿入したが、著明な改善が見られなかったため、MRI検査を施行した。十二指腸下行脚、空腸の拡張とfluid様残渣貯留を認め、上腹部正中左側で拡張腸管が途絶しており、同部位の腸管膜が絞り込まれている様な所見を認めたため、絞扼性イレウスの診断で緊急手術となった。手術所見:treiz靭帯から口側25cmから70cmにわたって空腸が索状物により絞扼されていた。索状物を切離し、小腸部分切除した。病理所見:絞扼輪の1部である結節病変は壊死と膿瘍を伴う肉下組織だが、膿瘍内に変性壊死した蠕虫の虫体が確認された。アニサキス症やその他の蠕虫感染症が絞扼性イレウスの発症原因の可能性が示唆された。術後経過良好で9病日目に退院となった。また、2011年2月に自然分娩で無事に出産した。以上、MRI検査によって診断し得た絞扼性イレウスを経験したので文献的考察を加え報告する。
索引用語 妊娠, 腸閉塞