セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

小腸-症例報告3

タイトル 消P-246:

腸管子宮内膜症による回腸狭窄の1例

演者 原 仁司(水戸赤十字病院・外科)
共同演者 捨田利 外茂夫(水戸赤十字病院・外科), 清島 亮(水戸赤十字病院・外科), 清水 芳政(水戸赤十字病院・外科), 内田 智夫(水戸赤十字病院・外科), 佐藤 宏喜(水戸赤十字病院・外科), 古内 孝幸(水戸赤十字病院・外科), 竹中 能文(水戸赤十字病院・外科), 佐久間 正祥(水戸赤十字病院・外科)
抄録 症例は35歳の女性。既往歴なし。繰り返す腹痛にて近医を受診した。症状が月経周期に一致し、月経随伴症状も強いため、当院婦人科へ紹介され子宮内膜症と診断された。その後、腹満と嘔吐にて他院を受診し腸閉塞の診断で入院治療を受けた。禁食と輸液による軽快と食事再開後の再燃を繰り返し、患者の希望で子宮内膜症のかかりつけである当院婦人科へ転院となった。転院後も禁食、輸液、胃管にて症状が軽快したものの、腹部単純レントゲン検査では小腸ガスが残存し当科へ依頼となった。当科初診時、腹部は平坦、軟で腹痛はみとめなかった。胃管の排液は少量で、排ガスがあり、嘔吐等の腸閉塞症状はみとめなかった。腹部CT検査では骨盤内を中心にほぼ全ての小腸に軽度の拡張がみられ、結腸は拡張していなかった。回腸狭窄を疑い診断目的にイレウスチューブを挿入した。イレウスチューブ先端が前進しなくなったところで造影検査を行い、回腸末端に狭窄像をみとめた。下部消化管内視鏡検査では回腸末端に狭窄をみとめ、粘膜面は保たれており、内視鏡は通過可能であった。子宮内膜症を指摘されていたことから、腸管子宮内膜症による回腸狭窄を疑い手術を施行した。手術は腹腔鏡補助下に行った。骨盤内に子宮内膜症の病巣をみとめ、r-ASRM分類Stage IIであった。回腸末端に狭窄をみとめ小腸部分切除を施行した。その約10cm口側にもひきつれを伴う硬結をみとめ楔状切除を施行した。他にも同様の小結節をみとめたが通過障害はなく放置した。悪性疾患を疑う転移や浸潤の所見はみとめなかった。術後経過は良好で術後第9病日目に退院となった。いずれの病変も病理診断で子宮内膜症をみとめ、腸管子宮内膜症による回腸狭窄と診断された。退院後は婦人科にて偽閉経療法を施行されている。退院後約半年を経過し腸閉塞の再燃をみとめていない。今回、われわれは腸管子宮内膜症による回腸狭窄の1例を経験したので、若干の文献的考察を加え報告する。
索引用語 腸管子宮内膜症, 回腸狭窄