セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

小腸-症例報告3

タイトル 消P-247:

好酸球性腸炎の4例

演者 矢野 正明(公立松任石川中央病院・消化器内科)
共同演者 西川 昌志(公立松任石川中央病院・消化器内科), 浅井 純(公立松任石川中央病院・消化器内科), 卜部 健(公立松任石川中央病院・消化器内科)
抄録 【症例1】59歳男性。腹痛、蕁麻疹にて当科受診。CTでは小腸、結腸の浮腫性肥厚を認めた。初診時採血では異常所見を認めなかったが、第6病日採血にて、WBC 8080(好酸球10.6%)と上昇を認めた。自然経過で腹痛は消失し、好酸球上昇、腸管壁肥厚とも改善を認めた。【症例2】44歳女性。腹痛、腹部膨満感にて当科受診。WBC 22900(好酸球60.0%)と上昇を認め、CTでは小腸全体の著明な壁肥厚、腹水貯留を認め、イレウス状態であった。好酸球性腸炎と診断し、同日よりPSL30mg/日内服を開始した。腹痛改善し、第3病日にはWBC 6780(好酸球5.5%)と減少を認め、CTでは腹水減少、腸管壁肥厚の改善を認めた。PSL漸減し、中止後も再発を認めていない。【症例3】66歳男性。気管支喘息にて通院加療中。腹痛にて当科受診。WBC 12500(好酸球38.0%)と上昇を認め、CTでは小腸全体の壁肥厚を認めた。全大腸内視鏡検査では粘膜面に特記すべき所見は認めなかったが、盲腸、横行結腸からの生検にて好酸球浸潤の増加を認めた。症状は軽減傾向にあったため経過観察の方針となったが、第16病日に再び腹痛出現し、PSL 20mg/日内服開始。以後腹痛は改善し、PSL漸減中止となった。約1カ月後、腹痛が再び出現。WBC 13600(好酸球22%)と上昇を認め、PSL 20mg/日内服を再開したところ症状は改善した。【症例4】61歳女性。腹痛にて当科受診。CTにて腸管壁肥厚と小腸拡張を認め、イレウス状態であった。第4病日採血にてWBC 5840(好酸球12%)と上昇を認めた。十二指腸、盲腸からの生検にて好酸球浸潤の増加を認めた。症状は自然経過で改善した。【まとめ】好酸球性腸炎の4例を経験した。初診時には好酸球上昇を認めず、経過で上昇を認める例も存在し、診断には留意が必要である。画像所見としては、いずれも腸管の全周性壁肥厚が特徴的であった。以上文献的考察を踏まえて報告する。
索引用語 好酸球腸炎, 腸炎