セッション情報 | ポスターセッション(消化器病学会)小腸-症例報告3 |
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タイトル | 消P-248:小腸も観察し得たDégos病の一例 |
演者 | 岩下 ちひろ(自治医大附属病院・消化器・肝臓内科) |
共同演者 | 竹澤 敬人(自治医大附属病院・消化器・肝臓内科), 村山 梢(自治医大附属病院・消化器・肝臓内科), 廣澤 拓也(自治医大附属病院・消化器・肝臓内科), 野口 地塩(自治医大附属病院・消化器・肝臓内科), 牛尾 純(自治医大附属病院・消化器・肝臓内科), 坂本 博次(自治医大附属病院・消化器・肝臓内科), 新畑 博英(自治医大附属病院・消化器・肝臓内科), 西村 直之(自治医大附属病院・消化器・肝臓内科), 三浦 義正(自治医大附属病院・消化器・肝臓内科), 佐藤 博之(自治医大附属病院・消化器・肝臓内科), 矢野 智則(自治医大附属病院・消化器・肝臓内科), 宮田 知彦(自治医大附属病院・消化器・肝臓内科), 砂田 圭二郎(自治医大附属病院・消化器・肝臓内科), 山本 博徳(自治医大附属病院・消化器・肝臓内科), 菅野 健太郎(自治医大附属病院・消化器・肝臓内科) |
抄録 | 【背景】Dégos病は、中心部が白磁器様で周囲に発赤を伴う特徴的な皮疹を有し、腹部症状、神経症状など多彩な症状を示す非常に稀で、予後不良な疾患である。病態は原因不明の小血管の血栓形成による虚血性の変化であり、消化管症状や皮膚所見を認める。特徴的な皮膚所見を認め、病理で炎症細胞浸潤の少ない血栓形成、真皮での楔状のコラーゲン束の変成等を認めれば診断は可能であるがその報告例は少ない。我々は皮膚症状、腹部症状、胸膜炎を合併したDégos病の一例を経験したので報告する。【症例】症例は65歳、女性。2007年にも皮疹を認めたが、診断つかず経過観察となっていた。2009年7月より腹痛が出現し、他院へ入院。腹部CT上、回腸壁の肥厚を認めたが、明らかな原因は不明であった。症状の改善なく、精査加療目的に2009年12月に当科に入院した。経口的、経肛門的ダブルバルーン小腸内視鏡検査を施行し、縦走する潰瘍瘢痕や浮腫、また造影で拇指圧痕像を認め、虚血性小腸炎が最も考えられた。ワーファリンの内服治療を開始したが、その後も腹痛が持続していた。多発する皮疹を認め皮膚所見、生検よりDégos病と診断され、腹部症状も同病に伴うものと診断した。病態より、シロスタゾールを使用したが、血球減少のため中止となった。以後はワーファリンとジピリダモールの内服を継続し、症状改善傾向であったため退院、外来経過観察とした。退院約1ヶ月半後に穿孔性腹膜炎の出現、胸水の貯留等による全身状態の増悪のため再入院。その後、全身状態は改善せず、永眠された。【考察】Dégos病は、自験例も含め現在までに国内で43例の報告がある。発症年齢は13~86歳で、男女比は4:3であった。13例は皮膚症状のみで予後は良好であったが、腹部症状を伴う症例の予後は不良である。しかし今まで内視鏡で小腸病変を観察し得た症例はなく貴重な症例と考え報告する。 |
索引用語 | 悪性委縮性丘疹症, Dégos病 |