セッション情報 | ポスターセッション(消化器病学会)クローン病-小腸 |
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タイトル | 消P-252:日本人クローン患者でのPAI-1(plasminogen activator inhibitor type 1)遺伝子のプロモーター領域の4G/5Gの遺伝子多型の検討 |
演者 | 武田 直久(兵庫医大・内科(下部消化管科)) |
共同演者 | 福永 健(兵庫医大・内科(下部消化管科)), 佐藤 寿行(兵庫医大・内科(下部消化管科)), 野上 晃司(兵庫医大・内科(下部消化管科)), 河合 幹夫(兵庫医大・内科(下部消化管科)), 河野 友彰(兵庫医大・内科(下部消化管科)), 菊山 梨紗(兵庫医大・内科(下部消化管科)), 加藤 恭一(兵庫医大・内科(下部消化管科)), 上小鶴 孝二(兵庫医大・内科(下部消化管科)), 横山 陽子(兵庫医大・内科(下部消化管科)), 吉田 幸治(兵庫医大・内科(下部消化管科)), 飯室 正樹(兵庫医大・内科(下部消化管科)), 應田 義雄(兵庫医大・内科(下部消化管科)), 樋田 信幸(兵庫医大・内科(下部消化管科)), 堀 和敏(兵庫医大・内科(下部消化管科)), 中村 志郎(兵庫医大・内科(下部消化管科)), 三輪 洋人(兵庫医大・内科(上部消化管科)), 玉置 知子(兵庫医大・遺伝学), 松本 譽之(兵庫医大・内科(下部消化管科)) |
抄録 | 【目的】クローン病患者は発症初期には消化管合併症を認めない症例(炎症型)が多いが、経過とともに狭窄(狭窄型)や瘻孔(瘻孔型)といった消化管合併症を認める症例が増加する。一方、スペインでのクローン病患者の検討ではPAI-1(plasminogen activator inhibitor type 1)遺伝子のプロモータ領域の4G/5Gの遺伝子多型がPAI-1の血漿レベルでの発現を変化させ瘻孔型になりやすいという報告がある(Aliment pharmacol ther.2003)。この遺伝子多型についての日本人のクローン病患者への報告はなく、同様の結論が得られるかを検討した。【方法】末梢血より抽出したDNAを用いてPCR-direct sequencing法でPAI-1遺伝子のプロモータ領域の4G/5Gの遺伝子多型の解析を行った。臨床表現型はウィーン分類を用いた。【成績】日本人におけるクローン病患者と健常対象者との間の4G/5Gの遺伝子多型の頻度に差は認めなかった。解析したクローン病患者の75%が瘻孔型であり、その中で4G/4G、4G/5G 5G/5Gの遺伝子型を持つ患者はそれぞれ38%、42.3%、19.7%であり有意差を認めなかった。4Gの対立遺伝子を持つクローン病で瘻孔型である患者は77%で、瘻孔型でない患者の22.9%よりも高い傾向を示したが有意差は認めなかった。【結論】スペインでの検討ではPAI-1の発現が高くなる4Gの遺伝子多型をもつクローン病患者は5Gの遺伝子多型をもつクローン病患者よりも有意に瘻孔型になりやすいという結果であったが我々の検討では瘻孔型になりやすい傾向は認めなかった。このことはNOD2遺伝子のように、欧米と東洋人の間の人種差による違いが反映されている可能性が示唆された。 |
索引用語 | クローン病, 遺伝子多型 |