セッション情報 | ポスターセッション(消化器病学会)クローン病-大腸1 |
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タイトル | 消P-257:抗TNF-α抗体で維持療法中のクローン病患者に対する対外式腹部超音波による腸管の評価 |
演者 | 檜垣 真吾(セントヒル病院) |
共同演者 | 浜辺 崇衣(セントヒル病院), 播磨 夕美子(セントヒル病院), 田辺 亮(山口大・消化器病態内科学), 松永 尚治(山口大・消化器病態内科学), 橋本 真一(山口大・消化器病態内科学), 岡本 健(山口大・消化器病態内科学), 西川 潤(山口大・消化器病態内科学), 坂井田 功(山口大・消化器病態内科学) |
抄録 | Crohn病の治療で抗TNF-α抗体療法はCrohn病の長期の寛解維持を可能にした。しかしながら、最初に反応性のあるCrohn病患者でも途中で反応性が低下して、投与間隔の短縮や投与量を増加しなければならない患者がある。血液検査や身体所見だけでは、寛解維持中の抗TNF-α抗体に対する反応性の低下を評価するのは難しい。そのため、簡便で、より炎症を評価できる鋭敏な臨床的指標が求められる。目的:今回われわれは、寛解維持療法中のCrohn病患者について対外式腹部超音波検査を施行することによって、抗TNF-α抗体療法の反応性が評価できないかどうかを横断的に検討した。対象:2010年10月から2011年3月までの間に、セントヒル病院消化器科にて寛解維持療法をしたCrohn病患者11名、生物学的製剤を使用しないCrohn病患者8名、非Crohn病患者14名を対象にして、対外式腹部超音波検査で回腸末端の壁厚を計測した。同時にHb、Alb、CRP、ESRを検査して血液学的な栄養指標や炎症反応と対比した。また検査後の半年間のCrohn病の短期の予後を観察した。結果:回腸末端の厚みは、抗TNF-α抗体療法で維持療法する11名のCrohn病 4.3 ±2.4 mmで、生物学的製剤を使用しないCrohn病患者8名は5.5 ±1.9 mm 非Crohn病患者14名3.7±1.1mmであり多群比較では有意差はなかった。回腸壁厚とHb 値、(P: 0.93) Alb 値 (P: 0.32) CRP値(P:0.54)ESR値 (P:0.96)にもそれぞれ相関関係は見出せなかった。しかしながら、抗TNF-α抗体療法で維持療法する患者で10mmの壁厚のあった1人の患者は反応性が低下し投与間隔の短縮が必要となった。また、生物学的製剤を使用しないCrohn病患者のうち8mmを示した患者は経過で小腸出血が現れ、7.6mmを示した患者は経過で管腔型の再燃を認めた。結語:対外式腹部超音波による回腸末端の壁肥厚は、Crohn病の生物学的製剤に対する反応性を知る有用な指標となる可能性がある。 |
索引用語 | Crohn病, 対外式超音波検査 |