セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

クローン病-大腸1

タイトル 消P-259:

PEG-ESを用いたCT enterographyによる炎症性腸疾患評価の検討

演者 大花 正也(天理よろづ相談所病院・内視鏡センターDELIMITER天理よろづ相談所病院・消化器内科)
共同演者 美馬 淳志(天理よろづ相談所病院・消化器内科), 園山 浩紀(天理よろづ相談所病院・消化器内科), 菊池 志乃(天理よろづ相談所病院・消化器内科), 岡部 誠(天理よろづ相談所病院・消化器内科), 森澤 利之(天理よろづ相談所病院・消化器内科), 塩 せいじ(天理よろづ相談所病院・消化器内科), 宮島 真治(天理よろづ相談所病院・消化器内科), 木田 肇(天理よろづ相談所病院・消化器内科), 岡野 明浩(天理よろづ相談所病院・消化器内科), 沖永 聡(天理よろづ相談所病院・消化器内科), 久須美 房子(天理よろづ相談所病院・消化器内科), 鍋島 紀滋(天理よろづ相談所病院・消化器内科)
抄録 【背景】カプセル内視鏡やバルーン内視鏡の開発等により、従来は困難であった小腸の画像評価が可能となってきたが、腸管狭窄や癒着を伴うことの多い疾患の診断やフォローにおいては、受容性の問題も含め検査法の選択に難渋する事が少なくない。【対象】2009年9月から2011年3月までの間に、大腸内視鏡前処置に使用するPEG-ES(polyethylene glycol electrolyte solution、ニフレックR)にて腸管を拡張しCT enterography(以下CTE)を撮像した33例(重複を含む)。【方法】撮像1時間前よりPEG-ESを内服し腸管拡張を図った後、造影剤を静注して8-64列MDCTによる撮像を行い、curved MPR画像を併用して読影を行った。うち30例ではCTE撮像後に経肛門的内視鏡検査を行った。【結果】PEG-ES飲用による腸管拡張の程度は、特に空腸でばらつきが見られたが、ほぼ全例でCTEによる回腸の評価が可能であった。臨床的に炎症性腸疾患が疑われCTEを行った28症例のうち、小腸壁の肥厚ありと判断されたものが22例(うち11例では腸間膜付着側に偏在性)、動脈層での壁濃染ありが23例(うち6例は偏在性)、リンパ節腫大が18例、腸間膜血管増強が13例、狭窄が6例、腸間膜脂肪織濃度上昇が5例あった。検査後の総合臨床診断は、クローン病15例、単純性潰瘍1例、腸管ベーチェト1例、潰瘍性大腸炎1例、診断保留のIBDが5例、異常なしが5例であった。クローン病に関しては、上記CTE所見のうち限局性かつ腸間膜付着側に強い壁肥厚と、偏在性の壁濃染がいずれも特異度100%で、病変部腸管壁の濃染所見がCDAIを用いた疾患活動性と最も良く相関した。また非験者に対するアンケート調査の結果、検査に対する患者の受容性は、従来の小腸検査法に比べ良好であった。【結論】PEG-ESを用いたCTEは比較的低侵襲に小腸病変の部位、性状の評価が可能で、特にクローン病では診断や活動性評価に有用と考えられた。
索引用語 CT enterography, 炎症性腸疾患