セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

クローン病-大腸1

タイトル 消P-261:

生物学的製剤時代におけるクローン病の内視鏡的経過観察

演者 加賀谷 尚史(金沢大・消化器内科)
共同演者 砂子阪 肇(金沢大・消化器内科), 鷹取 元(金沢大・消化器内科), 島上 哲朗(金沢大・消化器内科), 荒井 邦明(金沢大・消化器内科), 柿木 嘉平太(金沢大・消化器内科), 川口 和紀(金沢大・消化器内科), 北村 和哉(金沢大・消化器内科), 山下 太郎(金沢大・消化器内科), 酒井 佳夫(金沢大・消化器内科), 山下 竜也(金沢大・消化器内科), 水腰 英四郎(金沢大・消化器内科), 酒井 明人(金沢大・消化器内科), 本多 政夫(金沢大・消化器内科), 岡田 俊英(金沢大・消化器内科), 金子 周一(金沢大・消化器内科)
抄録 【目的】生物学的製剤治療により、クローン病では粘膜治癒の実現と維持が可能となり、術後の再発抑制が可能となっている。長期予後の改善されることが期待されているが、いまだ予後の報告は少なく、それゆえ投与すべき対象患者,投与のタイミング,免疫調節薬併用の有無,内視鏡的経過観察などは明らかになっていない。当院におけるクローン病治療例の臨床経過を検討し、粘膜治癒と長期予後を従来の治療法と比較検討して、現状を評価した。【方法】当院通院中のクローン病症例のうち、内視鏡的に粘膜病変の経過観察を施行しえている例について、治療法、臨床背景、治療効果、検査成績などについて比較検討し、粘膜治癒(MH)を得るための因子と、MHの経過について検討した。A群 手術歴なしIFX維持投与群、B群 術後IFX維持投与群、C群 手術歴なし非IFX群、D群 術後非IFX投与群とする。【結果】検討対象クローン病は48例で男性30例、女性18例。初回内視鏡時平均年齢31.3歳。病変部位は小腸型:小腸大腸型:大腸型=22:19:7。A群:B群:C群:D群=15:10:12:11。MHの得られた例は9:5:6:3例で60%:50%:50%:27%。MH例と非MH例を比較すると、IFX投与までの罹病期間の短い例でMHが得られやすかったが、免疫調整剤併用の有無や、投与前のCDAIとは関連がなかった。検査値から見ると、MH例は投与前の血清アルブミン値が高く、治療後のSAA値が低い症例であった。MHの得られた23例中、経過中に狭窄症状を示した例が10例(A:B:C:D=2:4:1:2)44%あり、長期経過管理上で注意が必要と考えられた。【結論】MHが得られやすい症例は罹病期間が短い時期にIFXを投与開始した例であり、手術歴がなくIFXを開始した例でMHが得られやすかった。MHが得られたのちに、狭窄による症状が出現した例も認められ長期経過観察上問題となる可能性が示唆された。
索引用語 内視鏡, クローン病