セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

クローン病-大腸2

タイトル 消P-263:

免疫調節剤がインフリキシマブの体内動態に与える影響の検討

演者 中村 健太郎(東邦大医療センター佐倉病院・内科)
共同演者 菊池 秀昌(東邦大医療センター佐倉病院・内科), 岩佐 亮太(東邦大医療センター佐倉病院・内科), 古川 竜一(東邦大医療センター佐倉病院・内科), 山田 哲弘(東邦大医療センター佐倉病院・内科), 曽野 浩治(東邦大医療センター佐倉病院・内科), 長村 愛作(東邦大医療センター佐倉病院・内科), 青木 博(東邦大医療センター佐倉病院・内科), 吉松 安嗣(東邦大医療センター佐倉病院・内科), 佐藤 徹(東邦大医療センター佐倉病院・内科), 高田 伸夫(東邦大医療センター佐倉病院・内科), 鈴木 康夫(東邦大医療センター佐倉病院・内科)
抄録 目的:クローン病でのインフリキシマブ(IFX)の有効性が示されると同時に、IFX投与継続中に有効性が消失する二次無効症例も認め、対策が課題となっている。最近SONIC studyによりIFX単独投与症例群に比べアザチオプリン(AZA)併用症例群で臨床効果が有意に高いことが報告され、二次無効症例に免疫調節剤併用が有用性を発揮する可能性が推測される。従って、AZA併用によりIFX体内動態に変動を生じうるか否かを解析することは、二次無効症例の予防と改善策を検討するに際し重要と考えられた。方法:IFX単独投与中で寛解期にあるクローン病症例10名(男:女=9:1、平均年齢31.4歳)に、8週間隔投与時の血中IFXトラフ濃度を測定後、AZA 50mg併用し24週間継続した。AZA投与後は8週毎の血中IFXトラフ濃度を測定し、その後、AZA 投与を中止24週後に再度血中IFXトラフ濃度を測定し比較検討した。結果:10例中7例で、AZA 投与前に比べAZA 投与24週後の血中IFXトラフ濃度は上昇傾向を示し、9例中8例で、AZA24週 投与後に比べAZA 中止24週後の血中IFXトラフ濃度は低下傾向を示した。AZA 投与前、AZA 併用24週後、AZA 中止24週後の血中IFXトラフ濃度の平均値(mean±SE)は、5.13±4.84、6.91±4.85、5.25±5.03で有意差は認めないが相違を認める傾向にあり、また同様に各症例のAZA 投与前とAZA 投与24週後の血中IFXトラフ濃度平均デルタ値(mean±SE)1.78±2.93、AZA 投与24週後とAZA 中止24週後の血中IFXトラフ濃度平均デルタ値-2.28±1.73で有意差は認めないが相違を認める傾向にあった。結論:IFX 投与時AZAの併用はIFXトラフ濃度に変動をきたす可能性があることが推測された。
索引用語 クローン病, インフリキシマブ