セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

クローン病-大腸2

タイトル 消P-264:

インフリキシマブ治療中のクローン病患者に対するアンケート調査-アダリムマブ承認を受けて

演者 上野 義隆(広島大・内視鏡診療科)
共同演者 田中 信治(広島大・内視鏡診療科), 林 亮平(広島大・消化器・代謝内科), 永井 健太(広島大・消化器・代謝内科), 岡 志郎(広島大・内視鏡診療科), 吉田 成人(広島大・内視鏡診療科), 日山 亨(広島大保健管理センター), 伊藤 公訓(広島大・消化器・代謝内科), 北台 靖彦(広島大・消化器・代謝内科), 吉原 正治(広島大保健管理センター), 茶山 一彰(広島大・消化器・代謝内科)
抄録 【目的】クローン病治療に用いる抗TNFα製剤は2002年に点滴製剤であるインフリキシマブ(IFX)が承認され、2010年10月に皮下注射製剤であるアダリムマブ(ADA)が承認された。ADAの承認を受け、現在IFX治療を行っているクローン病患者の実態を明らかにすることを目的として以下のアンケートを行った。【方法】2010年10月より2011年3月に当院にてIFX治療を行っている患者にアンケート用紙を配布し、年齢、性別、罹病期間、就労状況、通院時間、現在の通院頻度、併用薬、IFXの治療期間、満足度、効果の持続性、点滴製剤の受け入れ、ADAの認知率、2週間に1回のADA皮下注射製剤による治療希望について調査した。【結果】IFX治療中の24例にアンケートを実施した。平均年齢36.8歳、男性18例/女性6例、平均罹病期間12.8年、就労している(パートタイムおよび学生含む)患者は87.5%(21/24)、通院時間は平均47分、現在の来院頻度は1ヵ月に1回が最も多く66.7%(16/24)、IFXの治療期間は平均2年4ヶ月、IFX治療効果の満足度はある程度満足以上が83.3%(20/24)、治療当初に比べ効果減弱ありは33.3%(8/24)、点滴治療に負担を感じている割合は54.2%(13/24)であった。またADAの認知率は50.0%(12/24)、2週間に1回のADA皮下注射製剤による治療の希望は、希望するが29.2%(7/24)、どちらともいえないが62.5%(15/24)、希望しないが8.3%(2/24)であった。今回の調査の範囲ではADA治療の希望とIFX治療の満足度、効果減弱の有無、通院時間などとの相関関係は認められなかった。【結論】IFX治療は高い満足度を得ているものの、一定の頻度で効果減弱および点滴治療への不満が認められた。また、承認直後にも関わらずクローン病患者のADAの認知率は高く、一定の頻度で治療希望者が確認された。
索引用語 インフリキシマブ, アダリムマブ