セッション情報 | ポスターセッション(消化器病学会)クローン病-大腸2 |
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タイトル | 消P-265:クローン病に対するインフリキシマブ療法における成分栄養剤併用の意義 |
演者 | 上野 義隆(広島大・内視鏡診療科) |
共同演者 | 田中 信治(広島大・内視鏡診療科), 林 亮平(広島大・消化器・代謝内科), 永井 健太(広島大・消化器・代謝内科), 岡 志郎(広島大・内視鏡診療科), 吉田 成人(広島大・内視鏡診療科), 日山 亨(広島大保健管理センター), 伊藤 公訓(広島大・消化器・代謝内科), 北台 靖彦(広島大・消化器・代謝内科), 吉原 正治(広島大保健管理センター), 茶山 一彰(広島大・消化器・代謝内科) |
抄録 | 【目的】成分栄養療法(Elemental Diet: ED療法)はこれまでわが国でのクローン病(CD)の寛解維持療法においてfirst line therapyとして確固たる地位を占めてきたが、2007年よりインフリキシマブ(IFX)の寛解維持投与が保険適応になって以来、ED療法の位置づけに関し、議論が分かれているのが現状である。今回我々は当院でIFXの計画的維持投与が行われたCDを対象に、ED療法の併用効果につき検討した。【方法】2005年2月から2010年4月までに当院で少なくとも連続8回以上IFXが投与されたCD患者40例(男31例)を、ED療法900kcal以上併用群(以下A群、n=19)と900kcal未満(非実施を含む)(以下B群、n=21)の2群に分け、各々のIFX投与開始時年齢、罹病期間、投与回数、有効性、免疫調節薬併用の有無につき後ろ向きに比較検討した。さらにIFX投与間隔の短縮あるいは他の治療の追加を再燃と定義し、500日までの非再燃率をKaplan Meier法にて比較検討した。【結果】A群、B群の平均年齢はそれぞれ33.7歳、36.2歳 (p=0.53)、罹病期間は11.9年、10.8 年(p=0.70)であった。各々の病型は小腸型/小腸大腸型/大腸型がA群で4/14/1、B群で3/16/2であり、平均投与回数はA群で18回、B群で19回であった。投与目的は炎症の改善が、A群で63.2%(12/19)、B群で71.4%(15/21)といずれの群も最多であった。両群間で免疫調節薬併用率は各々26.3%(5/19)、19.0%(4/21)と有意差を認めなかった。いずれの群も6週間後にはCDAIの有意な改善を認めた。しかしながら500日までの非再燃率はA群で有意に高かった(p<0.05)。【結論】900kcal以上のED療法の併用はIFXの寛解維持率の向上に寄与し、IFXにおけるアジュバント療法としてのED併用の重要性が示唆された。 |
索引用語 | インフリキシマブ, 栄養療法 |