セッション情報 | ポスターセッション(消化器病学会)クローン病-大腸2 |
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タイトル | 消P-266:クローン病インフリキシマブ投与症例における長期治療成績の検討 |
演者 | 米野 和明(慶應義塾大・消化器内科) |
共同演者 | 久松 理一(慶應義塾大・消化器内科), 岡本 晋(慶應義塾大・消化器内科), 松岡 克善(慶應義塾大・消化器内科), 市川 理子(慶應義塾大・消化器内科), 筋野 智久(慶應義塾大・消化器内科), 三好 潤(慶應義塾大・消化器内科), 三上 洋平(慶應義塾大・消化器内科), 高山 哲朗(慶應義塾大・消化器内科), 矢島 知治(慶應義塾大・消化器内科), 井上 詠(慶應義塾大・内視鏡センター), 岩男 泰(慶應義塾大・内視鏡センター), 金井 隆典(慶應義塾大・消化器内科), 緒方 晴彦(慶應義塾大・内視鏡センター), 日比 紀文(慶應義塾大・消化器内科) |
抄録 | 【目的】クローン病では長期寛解維持にインフリキシマブの8週間隔投与が有効であるが、膿瘍発症など種々の要因で投与間隔の短縮や中止にとなった症例が存在する。インフリキシマブ投与中止症例の治療、経過などにつき検討した報告は少ないため、今回、当院で経験した症例につき、詳細な解析をした。【方法】当科で2002年から2010年5月までにインフリキシマブを投与した242例をretrospectiveに解析した。【成績】インフリキシマブ8週間隔移行前初期中止は16例、維持投与中の中止は36例であった。うち腹腔/骨盤内膿瘍発症例が15例を占め、その内10例はインフリキシマブ投与後2年以内に発症していた。膿瘍発症に着目すると、消化管狭窄部位や大腸で発症する傾向が高かった。免疫調節薬の併用は膿瘍発症のリスクに関与しなかった。またインフリキシマブ8週維持投与脱落(短縮投与)症例や初期導入後血中CRPの改善が不良な症例に膿瘍を認めることが多い傾向であった。経過を追うことができた14例については手術を含めた適切な治療により、インフリキシマブ再導入が12例で可能であり、うち9例が8週間隔維持投与に移行し得た。【結論】インフリキシマブによる8週間隔の計画的維持投与が不良な症例では膿瘍の合併を念頭におく必要があり、特に狭窄病変や大腸病変を有する症例でリスクが高い。適切な加療を行えば、インフリキシマブの投与再開は可能である。本会では、さらに投与例を集積し追加検討を加え、発表する。 |
索引用語 | インフリキシマブ, クローン病 |