セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

クローン病-大腸2

タイトル 消P-267:

インフリキシマブ維持投与クローン病患者206例の投与間隔短縮要因についての検討

演者 有光 晶子(インフュージョンクリニック)
共同演者 伊藤 裕章(インフュージョンクリニック)
抄録 【目的】インフリキシマブ(IFX)の維持投与は、8週毎に反復投与するのが通常であるが、病状によっては投与間隔を短縮せざるを得ない場合もある。今回我々は、投与間隔短縮例について、通常間隔投与群と比較検討を行った。【方法】当クリニックでIFX維持投与中のクローン病(CD)患者について、IFX投与間隔が疾患活動性のために6週以下の間隔で治療を必要とした投与間隔短縮群(短縮群)と、それ以外の通常間隔群(通常群)の2群にわけ、それぞれの治療効果をCDAIで評価した。また、短縮投与となった理由に関連すると思われる項目について、両群で比較した。【成績】IFX維持投与中のCD患者206名のうち、治療期間の短い9症例を除外し197名を対象とした。通常群は177例(89.8%)、短縮群は20例(10.1%)であった。通常群177例のうち136例(76.8%)は寛解、41例(23.2%)は活動性であった。一方、短縮群20例のうち9例(45%)は寛解、11例(55%)は活動性であった。つづいて、その関連要因について検討したところ、両群間で有意差を認めたのは、腸管狭窄 (p=0.013,Fisher's exact test)、免疫抑制剤(IM)併用(p=0.004,Fisher's exact test)、IFXの投与期間(p=0.017,t検定)であった。性別、手術既往、罹病期間、病変部位については両群間に有意差はなかった。当クリニックのアダリムマブへの切り替え症例数は12例(6.1%)で、投与時反応が切り替え理由であった2例を除く10例のうち、通常群からは4例、短縮群からは6例であった。【結論】当クリニックのIFX維持投与CD患者のうち、投与間隔の短縮が必要であったのは約10%で、そのうち45%は寛解維持できており、アダリムマブへ切り替え例は30%と少なかった。IFX投与間隔短縮の有意な関連要因は、腸管狭窄、IM併用、IFX投与期間であったが、IMは効果不十分例に対する治療介入として行われている例が多かった。
索引用語 インフリキシマブ, 短縮投与