セッション情報 |
ポスターセッション(消化器病学会)
クローン病-大腸2
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タイトル |
消P-269:クローン病術後症例に対するinfliximabの再発予防効果の検討
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演者 |
横山 純二(新潟大大学院・消化器内科学) |
共同演者 |
河内 裕介(新潟大大学院・消化器内科学), 本田 穣(新潟大大学院・消化器内科学), 鈴木 健司(新潟大大学院・消化器内科学), 飯合 恒夫(新潟大大学院・消化器・一般外科学), 畠山 勝義(新潟大大学院・消化器・一般外科学), 青柳 豊(新潟大大学院・消化器内科学) |
抄録 |
【目的】クローン病術後症例に対するinfliximab (IFX) の再発予防効果を明らかにする。【方法】2006年から2010年までの間に当院で腸管切除(回腸‐結腸吻合)を施行されたクローン病患者12症例を対象とし、レトロスペクティブに評価を行った。12症例を、術後早期(90日以内)よりIFXの使用を開始した6症例(IFX群)と、術後より免疫調節剤を使用した3症例(IM群)、IFXと免疫調節剤のいずれも使用しなかった3症例(非使用群)の3群に分け、術後の再発予防・寛解維持効果につき、臨床的および内視鏡的に比較検討を行った。臨床的所見はCDAIと血中CRPで評価。吻合部および吻合部周囲の内視鏡所見については、Rutgeerts’ endoscopic score: 0~4を用いて評価を行い、CDAI≧150で臨床的再燃、Rutgeerts’ endoscopic score≧3で内視鏡的再燃とした。【成績】術後1年で、IFX群では6例中5例(83%)が臨床的寛解を維持していたが、IM群では3例中2例(67%)、非使用群では3例中1例(33%)で1年以内に臨床的再燃を認めた。また、術後1年間の血中CRP値は、IFX群が、IM群、非使用群に比べ有意に低値で、変動やばらつきも少なかった。内視鏡的にはIFX群1例に再燃を認めたのに対し、IM群では3例全例が再燃、非使用群でも3例全例で再燃を認めた。IM群と非使群においては、内視鏡的再燃が確認された後、6例全例でIFXの投与が行われ、うち5例(83%)で内視鏡所見の改善を認めた。【結論】クローン病術後症例に対するIFXの投与は、従来までの治療に比べ、臨床的・内視鏡的寛解維持効果が優れている。また、術後再燃に対する治癒効果も認められた。しかし、数年の経過ではIFXの二次無効例がみられており、今後は長期予後に関する検討が必要である。 |
索引用語 |
クローン病, infliximab |