セッション情報 | 一般演題 |
---|---|
タイトル | 15:自然軽快した小腸捻転症2例 |
演者 | 石井 寛裕(大森赤十字病院) |
共同演者 | 後藤 亨(大森赤十字病院), 福島 淳也(大森赤十字病院), 井田 智則(大森赤十字病院), 諸橋 大樹(大森赤十字病院), 太原 洋(大森赤十字病院), 古谷 亮(大森赤十字病院) |
抄録 | 症例1は47歳女性.既往歴に35歳で虫垂炎の手術を施行。平成17年4月18日夜、突然の下腹部痛が出現し、安静にて改善ないため、翌朝当科受診。腹部単純Xpで下腹部に拡張した小腸を認めたが、明らかな鏡面形成像は認められなかった。腹部単純CTを施行したところ圧痛部位に一致する回腸のループ形成が認められ、小腸の捻転症と診断した。腹膜刺激症状はなくまた血流障害の所見も認めなかったため、外科とも相談し、絶食、補液で保存的に経過観察したところ、翌日の腹部CTで回腸のループは解除されており症状も軽快した。明かな基礎疾患は特に認めず、回転軸は不明であった。その後再発なく経過観察中である。症例2は57歳男性。既往歴に50歳で胃癌による胃切除術施行。平成17年2月9日夕食後強い上腹部痛と吐気を主訴に来院。来院時、腹部全体に強い圧痛を認めたが腹膜刺激症状はなく、また腹部Xp、腹部CTで特記すべき所見は認めなかったため保存的に経過観察した。しかし鎮痛剤投与にも改善ないため大動脈解離等疑い腹部造影CTを施行したところSMA支配領域の小腸の捻転を認めた。早急に手術を考慮したが症状が改善し、所見も消失したため保存的に経過をみた。その後施行したCT上も捻転は改善したため退院。精査にて基礎疾患は特に認めなかった。退院後経過良好で再発を認めていない。小腸捻転症は稀な病態であるが、血流障害から腸管壊死を引き起こして重篤な状態となり、早急に外科的処置を行わないと予後不良となる場合も多い。しかし、今回演者らはCTで上記疾患と診断し、保存的治療で改善した2例を経験したので、文献的考察を交えて報告する。 |
索引用語 | 小腸捻転症, 自然軽快 |