セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

クローン病-大腸3

タイトル 消P-271:

クローン病におけるアダリムマブの有効性についての検討

演者 大内 佐智子(製鉄記念広畑病院)
共同演者 山内 健史(製鉄記念広畑病院), 森澤 俊英(製鉄記念広畑病院), 寺西 哲也(製鉄記念広畑病院), 上山 茂充(製鉄記念広畑病院)
抄録 【目的】クローン病において、早期から粘膜治癒を維持することを目的とした、抗TNFα抗体のインフリキシマブの有効性が認識されている。同じ抗TNFα抗体であるアダリムマブの有効性を検証する。【対象】当院でアダリムマブを投与したクローン病患者10例(インフリキシマブからの切り替え8例、初回投与2例)について、投与後の症状、内視鏡所見および日常生活に対する満足度の改善の程度を調査した。患者背景は、男性7例、女性3例。罹患部位は小腸大腸型 4例、小腸型 2例、大腸型4例。罹病期間は、2年未満3例、2年から5年未満4例、5年以上3例。腸管外合併症は、痔瘻合併8例、関節炎症状合併 4例。免疫調整薬併用 2例。ステロイド併用1例。【結果】総合評価として、2例が改善、7例が臨床的寛解(CDAI150未満)を維持、1例が悪化した。8例が自己注射に移行した。腸管外合併症では、痔瘻の改善は6例中5例に、関節炎症状の改善は4例中2例に認められた。粘膜治癒は内視鏡検査を行った8例で改善、維持を確認した。効果発現時期については、投与数日後から効果が見られたが、2回目の投与後に一時増悪が見られる症例が2例見られた。いずれも3回目以降は改善している。日常生活満足度の調査では、社会生活におけるQOLを損なわなかったことから、1例を除いて著明に改善が見られた。【結論】アダリムマブはインフリキシマブ同様、粘膜治癒を促し、寛解を維持することが確認できた。Infusion reaction予防のための前投薬を必要とせず、化学療法室を使用して病院内に長時間在院する必要もなく、また、自己注射可能なため、社会生活におけるQOLを低下させることなく、患者の満足度が高かった。
索引用語 クローン病, アダリムマブ