セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

クローン病-大腸3

タイトル 消P-274:

インフリキシマブ不耐および二次無効のクローン病に対するアダリムマブの有効性

演者 山崎 大(手稲渓仁会病院・消化器病センター)
共同演者 野村 昌史(手稲渓仁会病院・消化器病センター), 三井 慎也(手稲渓仁会病院・消化器病センター), 田沼 徳真(手稲渓仁会病院・消化器病センター), 青木 敬則(手稲渓仁会病院・消化器病センター), 金子 昌史(手稲渓仁会病院・消化器病センター), 友成 暁子(手稲渓仁会病院・消化器病センター), 永井 一正(手稲渓仁会病院・消化器病センター), 真口 宏介(手稲渓仁会病院・消化器病センター)
抄録 【はじめに】インフリキシマブ(IFX)がクローン病(CD)治療に導入されて以降、CDの治療は大きく変貌を遂げ、CD患者のQOLも大きく改善した。しかし、IFX不耐例を時々経験するとともに、時が経つにつれ、IFX二次無効例も増えてきている。この様な状況の中、2010年10月にCDに対して、ヒト型抗TNFαモノクローナル抗体製剤であるアダリムマブ(ADA)が承認された。GAIN試験ではIFX不耐および二次無効のCDに対するADAの治療効果を検討し、4週目での寛解率21%、有効率52%と報告しており、IFXに不耐および二次無効のCDに対して、新たな治療法と考えられている。【目的】IFXに不耐および二次無効のCDに対するADAの有効性と安全性を検討する。【対象と方法】2010年10月から2011年3月までに、IFX不耐あるいは二次無効となったCD9例に対してADAを使用した。その中で、少なくとも4週間以上の経過を追えた4例を対象とした。年齢は28-41歳(中央値35歳)、男女比は2:2、罹病期間は10-20年(中央値16年)、病型は全て小腸大腸型、CDに関連した腹部手術歴は0-5回(中央値2回)であった。1例は腸管膣瘻を合併し、1例は短腸症候群のため在宅IVHを施行中である。IFXの不耐例が1例で、残りの3例はIFXの二次無効例であった。ADAは2週毎に投与し、初回160mg、2回目80mg、3回目以降は40mgを皮下注射した。有効性の評価は4週目に行い,Crohn’s disease activity index(CDAI)が150未満を寛解とした。【成績】ADA投与前後のCDAIの変化は、167→135、211→205、136→53、236→260で、寛解導入目的の3例中1例が寛解導入され、寛解維持目的の1例は寛解が維持された。投与時反応などの副作用は1例もなかった。【まとめ】今回の検討では有効率が50%であった。但し、症例数が少ない上に観察期間が短いため、今後症例を増やしてさらに検討を進める必要がある。
索引用語 アダリムマブ, クローン病