セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

クローン病-大腸3

タイトル 消P-275:

インフリキシマブ治療中のクローン病患者におけるアダリムマブスイッチ投与の有効性・安全性

演者 伊藤 裕章(インフュージョンクリニック)
共同演者 有光 晶子(インフュージョンクリニック)
抄録 【目的】インフリキシマブ(IFX)治療中のクローン病患者に対するアダリムマブ(ADA)スイッチ投与の有効性、安全性、忍容性を評価する。
【方法】当院にて2010年10月の承認以降、IFX治療中のクローン病患者に対し、ADAを初回に160mg、2週後に80mg、以後隔週ごとに40mgを投与し、CDAIおよびCRPにて有効性を評価した。また自己注射への移行率や有害事象などについても評価した。なお、今回の検討では投与後4週目までの成績を評価した。
【結果】対象症例は13例であり、主な患者背景は男性5例/女性8例、平均年齢33.8±8.7歳、平均罹病期間9.5±9.0年、手術歴あり53.8%(7/13)、病型(小腸大腸型/小腸型/大腸型)7例/4例/2例、平均CDAI167.8±139.9、活動期症例(CDAI>150)53.8%(7/13)、平均CRP2.0±1.6mg/dl、などであった。平均IFX投与期間は3.2±1.2年でありADAスイッチ投与の理由はIFX二次無効(IFX期間短縮・増量でコントロール不良)9例、IFX不耐(インフュージョンリアクション発生下でIFX継続投与)4例であった。活動期症例の2週後、4週後の寛解率(CDAI150未満)は28.6%、42.9%、CR70(CDAI70以上低下)は共に57.1%であった。なお寛解期の症例6例は全例2週後、4週後も寛解状態を維持していた。2週後、4週後の平均CDAIは120.6±126.9、109.5±88.3と投与前に比べて有意に低下した(p=0.049、p=0.011)。IFX二次無効例においてはCDAIが有意に低下したもののCRPは高値のままであった。一方でIFX不耐例においてはCRPを低値にコントロールすることが出来た。4週後に75%(9/12)の症例で自己注射へ移行した。有害事象は1例に認められ、本症例とADA不応1例の合計2例が4週後に再びIFX投与を行った。
【結論】IFXの増量・期間短縮によるコントロール不良例(二次無効)、インフュージョンリアクション発生例(不耐)においてもADAの有効性と安全性が確認された。また、自己注射の受け入れは良好であった。
索引用語 アダリムマブ, クローン病