セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

クローン病-大腸4

タイトル 消P-276:

クローン病における治療効果と粘膜治癒

演者 藤盛 健二(埼玉医大・消化器内科・肝臓内科)
共同演者 岡 政志(埼玉医大・消化器内科・肝臓内科), 山岡 稔(埼玉医大・消化器内科・肝臓内科), 打矢 紘(埼玉医大・消化器内科・肝臓内科), 平原 和紀(埼玉医大・消化器内科・肝臓内科), 中澤 学(埼玉医大・消化器内科・肝臓内科), 渡邊 一弘(埼玉医大・消化器内科・肝臓内科), 近山 琢(埼玉医大・消化器内科・肝臓内科), 吉野 廉子(埼玉医大・消化器内科・肝臓内科), 水野 芳枝(埼玉医大・消化器内科・肝臓内科), 安藤 さつき(埼玉医大・消化器内科・肝臓内科), 中尾 雅美(埼玉医大・消化器内科・肝臓内科), 菅原 通子(埼玉医大・消化器内科・肝臓内科), 濱岡 和宏(埼玉医大・消化器内科・肝臓内科), 本谷 大介(埼玉医大・消化器内科・肝臓内科), 稲生 実枝(埼玉医大・消化器内科・肝臓内科), 中山 伸朗(埼玉医大・消化器内科・肝臓内科), 今井 幸紀(埼玉医大・消化器内科・肝臓内科), 名越 澄子(埼玉医大・消化器内科・肝臓内科), 持田 智(埼玉医大・消化器内科・肝臓内科)
抄録 【目的】IBD症例における抗TNF-α製剤の効果は顕著で,発症初期から同薬による治療を行なうトップダウン療法が広く行なわれるようになった。その一方で長期に寛解を維持するために重要な指標である粘膜治癒に対する効果に関しては,十分な検討がなされていない。そこで,クローン病患者を対象に,抗TNF-α療法による臨床的治療効果と粘膜治癒の関連を検討した。
【方法】2006年4月から2011年3月までに抗TNF-α製剤による治療を受けたクローン病患者48症例を対象とした。治療前後におけるCDAIとIOIBDの変化と内視鏡,小腸造影およびCT検査で確認された腸管粘膜と形態の変化との関連を比較した。
【成績】48名中男36例,女12例で,年齢(中央値)は34歳(14~80)であった。治療開始からの平均観察期間は24ヶ月(2~83)であった。治療前後のCDAI(平均±SD)は188.5±@@から79.2±@@、IOIBDは2.3±@@から0.6±@@と有意に低下していた。治療前後での腸管粘膜を比較可能であった12例のうち10例(83%)で改善が認められたが,糜爛,潰瘍病変が完全に瘢痕化したのは4例で,他の8例では粘膜の発赤,浮腫ないし糜爛と潰瘍の残存が認められた。CDAIは非活動性まで低下しないにも拘わらず,十分な粘膜治癒が認められた症例が存在する一方で,CDAIでは非活動性と判定されたが粘膜治癒の進行していない症例も認められた。
【考察と結語】CDAIと粘膜治癒の状態は必ずしも一致しないと考えられた。抗TNF-α療法においては腸管の粘膜治癒も確認し,治療方針を調整していく必要がある。
索引用語 クローン病, 抗TNFα製剤