セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

クローン病-大腸4

タイトル 消P-277:

クローン病の小腸粘膜治癒 ―EDとレミケード治療の比較―

演者 遠藤 豊(昭和大藤が丘病院・消化器内科)
共同演者 黒木 優一郎(昭和大藤が丘病院・消化器内科), 山村 詠一(昭和大藤が丘病院・消化器内科), 先山 あゆみ(昭和大藤が丘病院・消化器内科), 猪 聡志(昭和大藤が丘病院・消化器内科), 五味 邦代(昭和大藤が丘病院・消化器内科), 吉本 和仁(昭和大藤が丘病院・消化器内科), 澤田 晋(昭和大藤が丘病院・消化器内科), 丸岡 直隆(昭和大藤が丘病院・消化器内科), 長濱 正亜(昭和大藤が丘病院・消化器内科), 高橋 寛(昭和大藤が丘病院・消化器内科)
抄録 【目的】レミケードは高率に大腸粘膜治癒を来たすことが知られているが、小腸粘膜治癒については不明な点が多い。当院ではバルーン内視鏡(BE)による経過観察をおこないエレンタール(ED)治療とレミケー(IFM)治療による粘膜治癒を検討した。【対象と方法】 EDとIFM治療をおこなっているクローン病患者で2回以上のバルーン内視鏡をおこない内視鏡による経過観察が可能であった39例(経過観察開始時治療ED25,IFM14)を対象とした。各群の年齢・性別・罹病期間・病型・喫煙率はそれぞれED:35.4+/-12.1,F4,7.0+/-7.4,L7 S12 P2 IFM:30.6+/-1.0,F4,9.27+/-7.8, L5 S 7 P6BEは`でIFM治療群の罹病期間が長かった。主として経肛門的におこない内視鏡観察可能範囲の最も悪い部位でgrade0:瘢痕のみで活動性病変なし(5個以下のアフタ病変を含む)、grade1:びらん、小潰瘍のみ、grade2:縦走潰瘍、敷石像の3段階で評価をおこなった。治療後にもBEによる経過観察をおこない、同様の評価をおこない、スコア0に改善したものを粘膜治癒(MH)、スコアの減少を改善、増加を悪化とし治療法別に小腸粘膜治癒率を検討した。【結果】 ED治療群では、 MH36%,改善24%,不変32%,悪化8%であった。平均ED処方量は各群1200,1100,1050,1200cal/日で差がなくAZA併用例は不変・悪化群の6例のみであった。ED治療からIFM治療に移行した症例は4例あり、IFM治療後、MH1例で不変2例、悪化1例であった。この4例を含むIFM治療例全体ではMH`22%,改善27%,不変44%,悪化27%であった。 【考察】 ED治療でも小腸粘膜治癒は達成されていたが、約半数の症例では内視鏡所見は不変・増悪であった。悪化例では深い潰瘍を認めることが多かったが、内視鏡所見のみでの治療効果予測は困難と考えられた。したがって、粘膜治癒を治療目標とするのであれば、寛解導入後に内視鏡評価を行い治療法変更の必要性について検討する必要があると考える。
索引用語 クローン病, 小腸粘膜治癒