セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

クローン病-大腸4

タイトル 消P-278:

クローン病の抗TNF-α抗体指摘投与時期の検討;粘膜治癒を指標に

演者 岩本 史光(山梨県立中央病院・消化器内科)
共同演者 津久井 雄也(山梨県立中央病院・消化器内科), 小嶋 裕一郎(山梨県立中央病院・消化器内科), 廣瀬 純穂(山梨県立中央病院・消化器内科), 吉田 貴史(山梨県立中央病院・消化器内科), 細田 健司(山梨県立中央病院・消化器内科), 鈴木 洋司(山梨県立中央病院・消化器内科), 星野 裕治(山梨県立中央病院・消化器内科), 細田 和彦(山梨県立中央病院・消化器内科), 廣瀬 雄一(山梨県立中央病院・消化器内科), 望月 仁(山梨県立中央病院・消化器内科), 末木 良太(山梨大・1内科), 山口 達也(山梨大・1内科), 植竹 智義(山梨大・1内科), 大高 雅彦(山梨大・1内科), 大塚 博之(山梨大・1内科), 佐藤 公(山梨大・1内科), 榎本 信幸(山梨大・1内科), 小俣 政男(山梨県立中央病院・消化器内科)
抄録 【目的】抗TNF-α抗体の登場によりクローン病治療の臨床は変化した。クローン病において抗TNF-α抗体投与により、潰瘍の完全緩解が得られる症例もでてきた。潰瘍の消失に寄与する因子を明らかにする。【方法】1992年から2010年までで抗TNF-α抗体を投与しているのは53例であった。投与前に大腸もしくは終末回腸に潰瘍を有し、投与後の内視鏡的評価が行えた27例を対象とした。小腸病変は内視鏡的評価を全例で行うのは困難であったため、大腸、終末回腸の病変に限って検討を行った。投与後約1年の大腸鏡検査の粘膜治癒の有無について、 1)年齢、2)性別、3)、痔瘻の有無、4) 狭窄の有無、5) 白血球数、6) 血小板数、7) CRP、8) 発症年齢、9) 導入年齢、10) 発症から導入までの期間 を解析し、多重ロジスティック回帰分析による多変量解析を行った。 【結果】導入前後で内視鏡的評価を行えた27例(男性17例、女性10例)の年齢の中央値は35.2歳で、病型分類は小腸大腸型19例、大腸型6例、小腸型2例だった。抗TNF-α抗体投与1年後の大腸鏡検査で大腸と終末回腸の粘膜治癒が得られた症例が52%(14/27)あり、導入までの期間の中央値は2.9年、投与開始年齢の中央値は25.9歳だった。一方、粘膜治癒が得られなかった症例は48%(13/27)で、導入までの期間の中央値は6.7年、投与開始年齢の中央値は38.8歳だった。単変量解析では導入までの期間(p=0.0243)、投与開始年齢(p=0.0346)は粘膜治癒群、非粘膜治癒群の間に統計学的有意差を認めた。多変量解析の結果では導入までの期間がp=0.0336、オッズ比 1.5216で統計学的有意差を認めた。【結論】大腸、終末回腸の粘膜治癒に寄与する因子として、発症から導入までの期間が独立した因子であることがわかった。
索引用語 クローン病, 抗TNF-α交代