セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

クローン病-大腸5

タイトル 消P-282:

成分栄養療法と顆粒球・単球除去療法を組み合わせた日本独自のクローン病治療

演者 上小鶴 孝二(兵庫医大・内科(下部消化管科))
共同演者 福永 健(兵庫医大・内科(下部消化管科)), 松本 誉之(兵庫医大・内科(下部消化管科))
抄録 【目的】患者末梢免疫システムの抑制・調節治療がクローン病(CD)の病態制御に有効である。欧米においてはinfliximabに代表される生物学的製剤がその中心とされ、大きな成果を挙げている。しかしながら、生物学的製剤の長期使用での効果減弱や副作用など問題点も指摘されている。我々は、成分栄養療法(EN)と顆粒球・単球除去療法(GMA)を組み合わせた本邦独自のCD治療の有効性を評価した。【方法】対象は急性期CD患者11例。clinical disease activity index (CDAI)は268.51、罹病期間は11.1年間、5症例が大腸型、6症例は小腸大腸型であり、7症例は腸管切除歴があった。EN1363.64kcal(900kcal-2100kcal)が施行されていた。IFX投与歴として3症例は効果減弱もしくは副作用によりIFX投与を中止していたが、2症例はIFX効果減弱のため我々の方法(J Clin Apher 2010)に従い、週1回x3-4回のGMAとIFX維持投与を組み合わせた。有効性評価はCDAI、体重、栄養状態の変化で行った。【成績】IFX投与困難例においてENにGMAを組み合わせてCDAIは175.62と有意な改善が認められた(P<0.05)。また、EN+GMAを併用した症例ではIFXの投与量の増加や投与間隔を短くすることなく、臨床症状を維持することが可能であった。体重の変化は有意な増加は認めなかったが、栄養状態と共に低下することなく安定した状態を推移した。【結論】CD患者において免疫細胞活性化において食物因子による腸内細菌叢の関与は重要である。ENは食事抗原の暴露を回避する単純かつ最善の治療であり、GMAを含めた末梢免疫調節治療と組み合わせることで患者の長期予後の改善に有効である。特に今回の検討でGMAの有効が示された。EN+GMAは本邦独自のアプローチとして有用であると期待された。
索引用語 クローン病, 顆粒球吸着療法