セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

クローン病-大腸5

タイトル 消P-284:

在宅中心静脈栄養療法におけるカテーテル感染のrisk factorの検討

演者 羽根田 祥(東北大大学院・生体調節外科学)
共同演者 小川 仁(東北大大学院・生体調節外科学), 三浦 康(東北大大学院・生体調節外科学), 内藤 剛(東北大大学院・生体調節外科学), 鹿郷 昌之(東北大大学院・生体調節外科学), 森川 孝則(東北大大学院・消化器外科学), 渡辺 和宏(東北大大学院・生体調節外科学), 田中 直樹(東北大大学院・生体調節外科学), 大沼 忍(東北大大学院・生体調節外科学), 工藤 克昌(東北大大学院・生体調節外科学), 佐々木 宏之(東北大大学院・生体調節外科学), 柴田 近(東北大大学院・生体調節外科学), 佐々木 巖(東北大大学院・生体調節外科学)
抄録 【はじめに】経口摂取による腸管からの水分栄養吸収が困難な状態における水分栄養補給の手段として在宅中心静脈栄養療法(Home parenteral nutrition: HPN)は非常に有用な方法であるが、カテーテル感染(Catheter-related bloodstream infection: CRBSI)の発生が多く、時に重篤となるため注意を要する。【目的】当科で施行したHPNにおけるCRBSIの発生率(infection rate: IR)を計算し、CRBSIのリスクファクターを検討する。【対象・方法】当科にて1989年より2010年の間に皮下埋め込み式カテーテルを用いてHPNを施行した37例のうち、HPN開始後1年未満の3例を除く34例について、原疾患、性別、導入時年齢、ストーマの有無、導入後経過年数にそれぞれわけて検討した。各症例につきIRを計算し、Mann-WhitneyのU検定を用いて検定した。【結果】症例の内訳はクローン病26例、慢性偽性腸閉塞症3例、放射線性腸炎3例、多発性小腸潰瘍2例で、男女比は21:13、留置時年齢は39 (17-74)歳、留置期間は5.8 (1.2-18.5)年、ストーマを有する症例が20例であった。各項目の平均IRは、原疾患(クローン病:クローン病以外の疾患=0.96:1.71)、性別(男:女=1.27:0.93)、導入時年齢(40歳以上:40歳未満=1.27:1.02)、ストーマの有無(有:無=1.35:0.83)、導入後経過年数(5年以上:5年未満=1.30:0.90)であり、クローン病以外の疾患で有意にIRが高かった(p=0.041)が、性別、年齢、ストーマの有無、経過年数では有意差が見られなかった。【結語】クローン病と比較してクローン病以外の疾患の感染率が高く、クローン病以外の疾患では特にCRBSIの発生に留意する必要があると思われた。
索引用語 在宅中心静脈栄養療法, カテーテル感染