セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

大腸-基礎2

タイトル 消P-296:

骨髄間葉系幹細胞由来Gut Trophic Factorはラット実験腸炎の回復を促進する

演者 渡邊 秀平(札幌医大・1内科)
共同演者 有村 佳昭(札幌医大・1内科), 永石 歓和(札幌医大・2解剖学), 那須野 正尚(札幌医大・1内科), 山下 健太郎(札幌医大・1内科), 山本 博幸(札幌医大・1内科), 苗代 康可(札幌医大医療人育成センター), 藤宮 峯子(札幌医大・2解剖学), 篠村 恭久(札幌医大・1内科)
抄録 【背景・目的】骨髄間葉系幹細胞(Mesenchymal stem cells: MSC)は、再生医療の細胞ソースとして注目されている。本研究では、MSCのパラクリン効果に着目し、腸上皮再生におけるMSC馴化培地(MSC conditioned medium: MSC-CM)の効果およびその機序を明らかにし、包含するgut trophic factorを同定することを目的とした。【方法】MSCを通常酸素濃度下、IFN-γ刺激下および低酸素濃度下に培養し、各培養上清をnorCM, γCM, hypoCMとして回収した。ラット小腸上皮細胞株IEC-6を各種MSC-CMで培養し、細胞増殖能、遊走能、アポトーシスおよび生存シグナルを解析した。Lewラット(8週、♂)に5% DSSを day0からday7まで自由飲水させた腸炎モデルを用い、day3からday7間に投与量および投与経路を変え、各MSC-CMを投与し、体重変化、Disease activity index (DAI)の推移を解析した。また、day7, 14に大腸組織を採取し、組織障害の程度を組織学的スコアで、細胞増殖能をKi-67 labeling indexで評価した。抗体アレイを用いMSC-CMの組成を解析した。【結果】MSC-CMは、IEC-6の増殖、遊走を促進し、アポトーシスを抑制した。また、生存シグナルのうちPI3K-Akt経路の活性化を認めた。DSS腸炎回復期において、MSC-CM投与群で体重の回復およびDAIの低下を容量依存性に認め、急性期における腸炎の重症化が抑制された。上皮組織におけるKi-67 indexは腸炎急性期においてMSC-CM群で有意に高く、細胞増殖を促進していた。投与経路別の検討では、注腸投与群で有意な体重の回復を認め、DAIは、MSC-CMの腹腔内投与および静注群で減少した。MSC-CM中に含まれる主な分泌タンパクのうちVEGF, MCP-1がnorCMに比較しhypoCM中に有意に発現していた。【結論】MSC-CMには、様々なgut trophic factorが含まれ、腸上皮再生に寄与したと考えられた。
索引用語 MSC, DSS colitis