セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

大腸-基礎3

タイトル 消P-298:

炎症性腸疾患患者の病変部粘膜固有層T細胞におけるIL-10産生能の比較検討

演者 土屋 和代(宮崎大・腫瘍機能制御外科学)
共同演者 池田 拓人(宮崎大・腫瘍機能制御外科学), 佛坂 正幸(宮崎大・腫瘍機能制御外科学), 千々岩 一男(宮崎大・腫瘍機能制御外科学)
抄録 【目的】炎症性腸疾患患者の病変局所では様々なサイトカインが産生される。IL-10はTNF-alpha, IL-6, IFN-gammaなどの炎症性サイトカインの産生を抑制するとされている。しかしながら炎症性腸疾患病変部における粘膜固有層(LP,lamina propria)に存在するCD4陽性T細胞(CD4+T cell)の、IL-10産生についての報告は少ない。【方法】当科で切除手術を行った潰瘍性大腸炎患者(UC)9名とクローン病患者(CD)7名の病変部腸管、大腸癌患者(NC)8名の正常部腸管の切除標本から、magnetic cell sorting procedure(MACS)を用いてLP CD4+T cellを分離し、IL-10 mRNAの発現をリアルタイムPCR法で解析した。また、抗CD3抗体、抗CD28抗体でLP CD4+T cellを刺激しサイトカイン産生量をELISA法で解析した。Mann-Whitney’s U検定でP<0.05をもって有意差があるとみなした。【結果】IL-10 mRNAの発現はNC群に比較しUC群で有意に高かった。一方で、IL-10の産生量はCD群、NC群に比較しUC群で有意に低かった。【結論】炎症性腸疾患の病態にIL-10産生能が関わる可能性が示唆された。
索引用語 炎症性腸疾患, IL-10